三遊亭天どん師匠がトリを務める、鈴本演芸場2019年(令和元年)7月上席夜の部の9日目に行ってきました。この期間のみ割引になる天寿々さんの美味しい天丼弁当(1,800円)と缶ビールをお供に。天どんさんのネタは、まさかの2年連続「船徳」。ほんとは新作を聴きたかったけど、こういうところもまた寄席の楽しさです。
天どんさん、好きなんですよね。もうね、高座でボヤきまくってるところなんか最高です。昨年は鈴本で7月上席初日に見に行ったのですが、そのときも天どんさんで「船徳」を聴いています。古典だから話の筋は当然同じですが、そこはライブ。若旦那の即席船頭・徳さんと、ひどい目に遭う客のやり取りで大きく違いがありました。
どの噺家さんも(上手い、上手くないの違いはありますが)、やるときの心持ち、会場やお客さんの雰囲気をつかんで乗せるんですよね。加えて、同じ噺でも古典、新作問わず、聴くごとにブラッシュアップされている。「ここが違う」といちいち指摘するのは野暮だし、そもそもディテールを覚えてないですから、指し示せと言われても困りますが。
とにかく聴くごとに楽しいライブを体験するのが大事だと思うんです。DVDやCDはあれば安心するけど、そのときその会場に居合わせない限り、体験できない一期一会というヤツは、大事にしたいと思います。衝動的にというけど、それが犯罪にならないかぎり、思うほうに進んだほうが絶対いい。おっと落語からズレました。
この日は白酒師匠で「粗忽長屋」を聴けたのも良かった。独自のアレンジを施していて、よりいっそうシュールになったというか、全く違う面白さがありました。「粗忽長屋」は大好きな奇談で、寄席で聴けるとほんと得した気分。これからもいろんな人で聴いてみたい。
それと開口一番、前座ぐんまさん。この人は先がひじょうに楽しみな人です。
三遊亭ぐんま「金明竹」、三遊亭めぐろ「ニワトリ」、翁家和助・小花、古今亭駒治「生徒の作文」、入船亭扇遊「初天神」、ニックス、柳家小ゑん「ほっとけない娘」、桃月庵白酒「粗忽長屋」
中入り
のだゆき、三遊亭歌奴「西行」、林家正楽、三遊亭天どん「船徳」