ジャパニーズクラフトウイスキーの勃興が盛んですが、その中でも嘉之助は超好みのシングルモルトを造ってくれます。
このファーストエディション体験後は、早くエイジング表記されたものをという期待感しか出てきません。
シングルモルト嘉之助 2021 ファーストエディション(KANOSUKE 2021 First Edition) 58%
- 香り…温室の花壇に入ったような温かさ。ほんのりはちみつレモンを感じた後にべっこう飴、クリームブリュレ。
- 味…温和で穏和。蜂蜜、アップルトフィー、レモンドリズルケーキ。ポピーシードやナツメグ、シナモンスパイスが余韻に。
- 総評…べっこう飴の甘さに、ほのかなレモンやシナモンなどが控えめなダンス。さらに年数を経たら……。
87点
@Atrium Ginza
2021年6月に発売された小正醸造嘉之助蒸留所初のシングルモルトウイスキーで、2017年と2018年蒸留の3年熟成。
同年11月にノンピート麦芽、バーボン樽熟成のセカンドエディションもリリースされています。
このファーストエディションは同社の米焼酎「メローコヅル」に使ったアメリカンホワイトオークのリチャーカスクで熟成させた原酒が軸。
さらに複数の樽の原酒をヴァッティングさせているそうです。
3年とは思えない熟成感だな、というのが第一印象。
カスクストレングスと言われなければ分からないほど、穏やかです。
鹿児島の温暖な気候の効果は想像以上では。
名刺代わりのご挨拶として強烈なインパクトこそないものの、羊の皮を被った狼的なものを感じさせてくれます。
それもそのはずで、同蒸留所のコンセプトは「Mellow Land,Mellow whisky」。
メローとは「アルコール感が抑制され、心地よい熟成が表れている」状態と解釈していますが、果たして同蒸留所は、それを3年で具現化したようです。
5年、10年を経たらどうなっているのでしょう。
年数の概念は、熟成が進んだ場合でも参考値程度に見ておくほうが良いのかもしれません。