よみうり大手町ホールで開かれた「ザ・桃月庵白酒 其の八 ライト」に行ってきました(2022年1月29日)。
「”ライト”なので軽めに」と言いつつ、終わってみれば20分オーバーの熱演。
だくだく 白酒
木乃伊取り 白酒
中入り
代書屋 白酒
宿屋の富 白酒
人情噺のにの字もない、笑いに徹した4席で、なかでも最も生き生きしていたのが「代書屋」。
ベテランの代書屋さんと、履歴書の代書を頼んだ無筆の若輩男の二人による、細部まで噛み合わないやり取り。
柳家権太楼さんが得意とする(かつ本人に合っている)噺ですが、白酒さんのもエネルギーを感じさせます。
職歴をヒアリングしつつ、男の頓珍漢な答えに頭を抱えて疲弊する代書屋さんが可笑しい。
落語協会は入門時に履歴書を提出する必要があるというまくらから、「合ってないと思っても、食えていればその仕事に向いている」という金言に目からウロコ。
白酒さんの毒っ気を超えて、怖いもの知らずな切れ味鋭いまくらが好きなんですけど。
地方に行く落語会の宿泊先についてのエピソードに触れた「宿屋の富」のまくらでは、白酒さんが実はひじょうに繊細な人なんだな、と垣間見ることができました。
よく「芸は人なり」って言いますけど、人格というか人間性が透けて見える落語は、怖い芸だなぁと。
白酒さんという人は、聴き手のぼくにとって「合う」と感じさせる数少ない噺家なのです。