3年前の今ごろだったかな。CSチャンネル・MONDO TVの『ナイトスナッカーズ』という番宣がらみで、浅草キッドの玉ちゃんにインタビューしました。全日本スナック連盟(一般社団法人です)会長でもある玉ちゃんが東京近郊(たまに地方)の駅に降り立ち、界隈のスナックに突撃取材する番組です。そのインタビューで玉ちゃんが話していたのが、「マニュアル社会のつまらなさ」でした。
キャバクラの同伴やアフター、ファミレスの接客、テーマパークのオペレーション。「なんかもう、どこ行っても全部マニュアルじゃねえかと。そのマニュアルのベルトコンベアに乗せられる自分がすごい嫌で、だったら自分なりの楽しいものを自分で探そうってことで、スナックに行き当たったんですよね」
人はみな忙しいから、効率重視でマニュアルが重用されるのは時代の流れ。そればかり頼るのは問題だけど、仕方ないことだろう。インタビューするまでぼくはそう思い込んでいました。けれども玉ちゃんの話を聞いて以来、お仕着せのサービスに妙に疑問符を付けるようになってしまいました。
マニュアルを作るときでも則るときでも、それに固執し、自分で物事を考えなくなるようではまずい。知らず知らずのうちにマニュアル思考に侵食されていると、それこそAIに取って代わられてしまう。自分に近い人を指すなら、バーテンダーや物書きはAIでは代替できない職業だろうなと。もちろん日々の研鑽やオリジナルであることが大事ですが。
人とつながる、そして人をつなげること。わざわざ表書きすることはないけど、一生追い求めるテーマになるんでしょうね。