ついにこの日が来てしまいました。今日はこのニュースに触れないわけにはいかない。宝塚歌劇星組・礼真琴さんのトップスター就任が発表されました。
皆さん満場一致で大喜びなんでしょうね。ぼくはこの一報を知り、「やったー!」ではなく、「さびしいな」という感想なんです。やっぱり。
別にお祝いしたくないわけではないんです。もうね、わかってましたよ、遅かれ早かれこうなることは。フランツが迎えに来るのを読んでいたエリザベートの心境ですよ。「予感がしました」ってね。
よくいわれる「歌よしダンスよし演技よし」ですが、そんな枕詞で括れないほどの、本格派、本物ですよね。
ほんとうにすごい人や作品って、見た瞬間は分からないんです。最初は何かこう、気になる、引っかかる感じ。で、後からじわじわと、出会いの余韻が長くいつまでも続き、「すげえな」と振り返って嘆息する。
そういう人や作品に遭遇したときのうれしさったら……ねえ。そして、礼さんは紛れもなくその一人。
ただ、ずいぶん前から礼さんを見てきた身としては、「どこまで遠くに行ってしまうんだ」という思いもあり、まぁ胸中は複雑なんです。それが「さびしいな」と表れているのかもね(自分でもよく分からない)。
見るたびに大きくなっている礼さんですが、直近2019年2月の東京公演『ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~』で、それをひしひしと感じる場面がありました。
とりわけスターたちが曲を歌い継いでいく冒頭、彼女がセンター奥から登場するところ。「おいおい、トドロキさんかよ」と思わしめる堂々としたもので、歌もダンスも今風にいえばキレッキレ。抜きん出ている、もはや右に出る者なしといったところ。なんなんだ、この大物感は。
あまたのファンの皆さんに怒られそうですが。ぼくはね、今もう礼さんの退団後に思いを馳せています。
わかりますよね? 礼さんは鏡の間が似合うと思うんですよ。そこに立ってほしいんです。ってか、立つでしょう、ええ。その知らせを聞いたら、お言葉うれしく伺いましたって、なるんだろうなぁ(遠い目)。
お戯れはさておき。この次は『アルジェの男』ですね(これがまた好きな演目なのよ)。5月の仙台公演が楽しみです。チケット、取れてるかな……。