王座戦をものにして史上初のタイトル独占となった藤井聡太八冠、投打両方で活躍し史上初の2桁勝利とホームラン王を獲得した大谷翔平選手。
全くフィールドの異なるふたりですが、このふたりには「異次元の活躍」という共通項があります。
単なる記録更新ではないスケールの大きさを感じさせるのです。記録という数字に裏付けされつつ、後世の記憶にも残る。これは間違いないでしょうね。
現実はフィクションを超える、事実は小説よりも奇なり。
当然「経済効果」とか、野球や将棋の「人気沸騰」とかでこのふたりが及ぼすのは好材料でしかありません。
が、そんなものだけに留まらない。それさえもなんだかちっぽけに見えてしまう。
いちばん大きな影響とは、
「○○してはいけない」「自分は○○だから、他にもやりたい○○は我慢する」「分をわきまえよ」という、人々の無意識なブレーキ、マインドブロックが外されたこと
です。
おそらく野球界では、二刀流を目指す人が出てくるでしょう。
将棋界でもAIを駆使する勝負師が現れることでしょう。
実際になれるかどうかは別だし、むしろ研究しつくされてハードルは高くなるはずです。
異次元の活躍が続発するとも思えません(だからこその「異次元」なわけですが)。
ただ、このふたりは「あ、高みを目指していいんだ」という全く新しい景色を我々に見せてくれました。
その点だけでも特筆すべきことです。
大谷選手については個人的にも大ファンですが、その活躍は本当に本当なのか、たまに目をこすりたくなるときがあります。
なんだか幻を見ているような。
気づいたら全部が夢オチのような、まるで落語の世界のような気がしなくもないのですよ。
「異次元」見られるうちに、めいっぱい瞼に焼きつけておきたいな。