仕事で担当領域の引き継ぎを行っています。8割を後任に引き継ぎ、その分ホワイトスペースができるなら万歳ですが。そんなはずはなく、ボリュームある仕事がどかんと降ってくるので、結局今までと同じです。
キホンOJTで引き継ぎつつ「業務引継書」的なものもアンチョコとして渡します。これを作成するにあたり、今回気を付けたことがあります。事実やフローを正確に記すのはもちろんですが、
文章をぎりぎりまで削ぎ落とす
ことを試みました。できるだけ短く、読みやすく。「?」となったとき、寄る辺になるように。
もうね、文学じゃないんだから。長々とした厚い文章はいらない。辞書のように手元に置いて、分からないことや忘れたことをサッと引けるのが◎です。
自分が引き継がれる身になったときを想像すれば分かるけど。事情がわからず手探りなだけでも教えられるほうは負荷なのに、その引継書に書いてあるものが長文で、しかもクライアントに対する採算度外視の忖度(おっと、配慮と言うべきか)に満ちたものだったら。ウンザリしてしまいます。
引き継ぐ、教える側としては隙なくやっているつもりだろうけど。引き継がれるほうは最低限やるべきことだけ書いてくれれば、それでいいのです。どのように進めるか、どう制作物と向き合うか、どのようにクライアントとコミュニケーションをとるか。それらは結局、その人次第なのだから。
何事も足し算や増改築を重ねれば、漏れないものが出来上がるのは当たり前。そうではなく、後を担う人に背負わなくていい荷物を背負わせないようにする。負担を減らしてあげることが、ハッピーじゃないのかな。確かに一人前になる過程で必要な修業、困難な道のりもあるでしょう。けれども何事も「苦労して当たり前」的な言い方は、少なくとも僕の後を担う若い人にはしません。
雑草は自分の代で刈り取る。やらなくてもいい草刈りを、後に押し付けるような真似はすまい。