今年はミュージシャンの訃報が相次いでいます。
これは今に始まったことではなく、単に自分が慣れ親しんだアーティストだから目に付くだけなんですよね。
そういう齢になったということで、これからはますます訃報に接するのでしょう。
やだやだ。
先日、歌手の大橋純子さんが亡くなったのは、谷村新司さん以上の受け止めがありました。
アリスよりも大橋さんのアルバムを聴かされていましたから。
「されていた」と使役表現なのは、自分で積極的に聴いたからではなく、親の影響によるもの。
小さいころカーステレオから流れてくる曲といえば、ニューミュージック、歌謡曲系でね。
そんななかでも親の好みは、女性であれば大橋純子のほか、五輪真弓、八神純子のような歌唱の実力派。
「歌が上手いってのは、こういう人のことを言うんだよ」とよく言ってたっけ。
小さいころはわからないなりに耳になじんでいたけど、今はよくわかる。
自分のウォークマンにベスト盤、入ってますもん。
うちの親ときたら、その上の世代でいえば、「上手い」のベンチマークが「美空ひばり」だったりするものだから、随分ですよね。
70年代後半から80年代にかけては、アイドルもまた相当な実力で、山口百恵、その後の松田聖子、中森明菜は聴きまくったな。
そう、ピンで歌える人たちがたくさんいたのです。
デュオやグループであったとしてもピンクレディーやキャンディーズといった人たちは、個々人の個性がはっきりしていた。
今は(おそらく、おニャン子クラブ以降)群唱で盛り上げて、歌唱の巧拙を問われないようにしているのが、なんだか寂しいね。
親しみやすさが付加価値になり、スターに躍り出るチャンスが多くの人に巡ってくるのだろうけど。
ソロ目当てで聴く歌手が、いつしか極端に少なくなってしまった。
いや、今の時代もいるんだけど、新しいものに食指が動かない。
リアルに聴いて好きな人が、どんどん減っていくんだろうな。