クラシックの代表的なショートカクテルのひとつ、ギムレット(GIMLET)。
いくつかのお気に入りのBARで、開口一番にお願いするのがだいたいこれです。
材料
- ジン:50ml
- ライムまたはライムジュースコーディアル:50ml
作り方
ミキシンググラスでステア、予め冷やしたカクテルグラスに注ぐ。
もしくは
シェーカーに氷と材料を入れてシェークしてカクテルグラスに注ぐ。
飲みどころ
同じジン・ベースのマティーニと並んでエピソードが多いカクテル。
作家レイモンド・チャンドラーによるハードボイルド小説『長いお別れ』の主人公フィリップ・マーロウの台詞「ギムレットには早すぎる」があまりにも有名です。
チャンドラーは「やわらかさと甘さと鋭さが一緒になっていた」とマーロウに言わしめています(清水俊二訳、ハヤカワ文庫)。
プリマスジンとローズ社のコーディアルジュースのレシピで作成してくださるのが『The Bar草間GINZA』の草間常明さん。
いただいたことがありますが(写真撮ったっけ?)、ジンのとげとげした感じが皆無の、それはそれは飲みやすいカクテルだったのを覚えています。
おなじみの店でいただいているベースのジンは「ザ・ボタニスト」。
アイラ島初のドライジンで、造り手がブルイックラディ(ブルックラディ)蒸留所です。
最初いただいたとき衝撃的においしくて、以後すっかり入口に飲むカクテルとして定着しました。
使うジンによって、味わいがガラッと変わるのも面白い。
銀座『TENDER』の上田和男さんのギムレットは、真ん中にちょこんと氷が乗っているのが特徴。
これはゆっくり飲むためのものという意味があるのです。
ペースがやや速く浮かれ気味のぼくを見かねて「ゆっくりね、健康第一」と諭されたこともまた愉し。
まとめ
バーテンダーによって個性が異なるのがカクテルの常ですが、このギムレットはまさにそれ。
ベースのジンや、甘め・甘さなしなどの希望を聞かれることも珍しくありません。
たまに伺うBARで、やたら飲みやすいなと感じたことがあって、次の回で作る場面を覗いていたら粉砂糖がたっぷりと。
バーテンダーはこちらの様子をとにかくよく観察していて、ぼくは1杯目で頼むことが多いものだから、飲みやすく調整してくださったんでしょうね。
ベースをウオッカにしたり、ハイボール版もあったり、クラシックながらバリエーション豊かな愉しさも兼ね備えています。
@堀川