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月組『Eternal Voice』、月城さんの卒業にベストマッチの重厚なドラマ。

月組『Eternal Voice』

月組・月城かなと&海乃美月の退団公演『Eternal Voice 消え残る想い』観劇(2024年6月29日11時公演)。
結論、素晴らしい出来でした。
観たかぎり、月城さんは今が旬でありピーク。そんなときに辞めてしまうのはつくづくもったいないけれど、最もいいときに潔く卒業するのはファンにとっては幸せなことかもしれない。

『Eternal Voice』は19世紀ビクトリア女王統治下の英国を舞台に、スコットランド女王メアリー・スチュアートの首飾りをめぐる陰謀をファンタスティックに描くドラマ。
考古学者で鑑定家ユリウス役の月城さんはお衣装がとても落ち着いていて、低音ボイスと飄々とした立ち居振る舞いで名探偵といった趣。
首飾りは紛いものなどではないと確信するユリウスの前に、海乃さん演じる特殊能力を持つアデーラが現れる。

この二人が組んで……といっても、二人ともどこか頼りなく、運命に抗うでもなく、しかし自分たちの道は間違っていないと信じる。
運命共同体の描き方でそれが好感。恋仲になるのが定石ですが、全くベタベタしていないのもいい。

ステージの盆を積極的に回す演出も凝っていて、ユリウスの屋敷と彼の親友でプロファイラーのヴィクター(鳳月杏さん)の屋敷を舞台の前後で見せる立体感は上手いなぁと。
降霊術や超常現象、複雑に絡まるカトリックとプロテスタントの宗派対立を整理しながらストーリーにした正塚晴彦先生の手腕。
ミュージカルではなく、重厚なドラマを魅せられているような感覚で、しかも月城さんにマッチしている。
霊媒師を演じた彩みちるさんが怪演。3番手以降の男女スターも目を引く人が多い。

ふだんは礼真琴さんの星組びいきですが、いやはや月組、すてきな組じゃん。
鳳月さんにトップが変わった後も楽しみですね。

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

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