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【ネタバレなし】映画『熱烈』:熱情の度合いで現実は変わる

映画『熱烈』パンフレット

ワン・イーボー主演の映画『熱烈』(2023年中国/ダー・ポン監督/原題:熱烈 One and Only)、いやぁ熱いアツい、熱すぎる。タイトルそのもののスポ根ものであり、青春群像劇でもありました。

『熱烈』あらすじ

杭州で活動するプロのブレイキンチーム「感嘆符!」は、カリスマ的存在のリーダー、ケビンの横暴に手を焼いていた。そのケビンがチームを突如離脱し、コーチ(ホアン・ボー)はかつてオーディションを受けに来た青年チェン(ワン・イーボー)を加入させる。チェンは瞬く間にチームになじみ、弛まぬ練習でポテンシャルを発揮。ケビンの代役を見事に果たしていく。
全国大会優勝に向けてチームは順調に成長するかに見えたが、コーチもチェンも個々のメンバーにも数々の試練が降りかかる。

ただのスター映画でもスポ根ものでもない

五輪の正式競技化とか、体育の授業に取り入れられるとか言われても正直ピンとこなかったんですよね、ブレイキンって。この映画を観てブレイキンに対する見方がいい意味で変わりました。

ひとつひとつはダンサーの個性と得意技、なれど本作は個人技を集積したうえでのチームプレーとしてのブレイキンの魅力を描いているのです。
それだけでも十分エキサイトさせるわけですが、本作はチームの成長を縦軸に、スポンサーとの関係、コーチとの師弟関係、親子関係などを巧みに織り込む。バイトを掛け持ちしながら家計を支えるハードワークにめげず、隙あらばダンスの練習に打ち込むチェンの一途は胸を打ちます。

ワン・イーボーの多芸多才ぶりに驚く

2019年のテレビドラマ『陳情令』で日本でも知られるようになったワン・イーボーさん。ただのハンサムな俳優ではなく、れっきとしたダンサーなのだなと認識させられます。
スクリーンでは、体躯の細さからは信じられないパワフルなダンスを見せつけるのも心憎い。

芯からまっすぐでピュアな役が、ワン・イーボーさんほど似合う俳優は今どき珍しい。劇中、ある場面で涙を流す演技がありますけど「こんなに涙がきれいに映るとは」と、半ば呆れながら観ていました。

まとめ

好き嫌いにかかわらず、打ち込む熱情・熱量の度合いで現実は変わる。人は心を動かされる。それをカタチにした映画です。

ワン・イーボーさんの端正なルックスからは想像もできない身体能力にも驚き。撮影でケガ人が続出したというブレイキンには圧倒されるはず。本作に参集したブレイキンダンサーさんにはリスペクトしかないですね。

蛇足ながらクライマックスでのダンスバトル、ワン・イーボーのいる「感嘆符!」チームは赤で、多国籍なメンバーの相手チームは黒なんですよね(アイキャッチのプログラム表紙画像参照)。
なんというか、やはり赤がグローバリズム的なものと対立するわけです。こんなところに国策映画的ニュアンスを感じさせられました。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性