昨今の年齢若づくり化や幼児化、キラキラネーム流行りの報道とともに「なんだかなあ」と思うのが、地名のひらがな化です。
さすがに東京都内はないだろうと思いきや、ありましたよ、駅名で。一例でいきなり槍玉に挙げてしまうと、
とうきょうスカイツリー駅(今)
業平橋駅(旧)
「とうきょう」をひらがなにする念の入れようです。ご大層にも東武伊勢崎線の区間のうち、浅草↔︎東武動物公園間は「東京スカイツリー線」と呼ぶそうな。乗っかりまくりだね。伊勢崎という地名はもとより、自社レジャー施設の東武動物公園もスルーだし。
業平橋は、もちろん平安の歌人・在原業平に由来する地名。なんでこんな風雅な名を捨てるかね。東京スカイツリーは東武鉄道の持ち物だから、売らなければならないのは分かる。が、これだけの塔ですもん、黙ってても呼び水になります。近くのランドマークの威光にすがるのは、いかにも安直で芸がない。これを機に業平橋という駅や、墨田区の地名をメジャーにしようと思わなかったのかな。
各自治体の合従連衡に伴い、ひらがな地名が珍しくなくなったのは残念な方向です。
東京ディズニーランド最寄のJR舞浜駅も、開業当初オリエンタルランドは「ディズニーランド駅」にしたかったそう。ディズニーが首を縦に振らなかったのは賢明だと思いますが、そのおかげで今や舞浜の名は(住宅地ですが)全国区ですよね。
翻って上手くやったねと感心した例。神奈川県の大船にある「鎌倉女子大学」、改名する前は「京浜女子大学」といったそう。校名変更で志願者が急増したと聞きます。そらあ工業地帯よりは、鎌倉というブランド地名を冠にしたほうが断然イメージはいいよね。
ネーミングは大事、ネーミングセンスはもっと大事。自分たちの地元への愛情はプライスレス。地名に由来するいろんな名前をみて、つくづく思います。