2024年最大の衝撃はモルトウイスキーやボトラーズウイスキーを揃えた居酒屋さんを見つけたこと。
東京・台東区の蔵前橋通り・昭和通りから路地を入った『太幸結』(「たこむすび」と読ませる)という明石焼きのお店です。
なにが個人的にツボって、ウイスキーの品揃え。ウイスキーの種類は行って確かめてみてください。
フツーの居酒屋さんにはまず置いてないウイスキーが鎮座しています。それもリコメンドがBARのそれ! 店主のマニアックがわかります。
カウンターに貼られたメニューのひとことも、たとえばジェントルマンジャックなら「シュッとしたジャックダニエル」、グレングラント アルボラリスなら「スゴイ華やか」、グレンリベットは「万人受け。これに始まり終わっていく」と、それぞれ絶妙なコピーが。
ウイスキーはハイボール(ソーダ割り)を想定しているのが気取りなく、こだわりを押しつけるのでもなく、カジュアルに楽しもうと伝えているようで好感しかない。
もちろんストレート・ロック・水割りOK。量はほぼダブル(50ml)って、どんだけ優しいのさ。
ハイボールのスタンダードは江井ヶ嶋酒造の「あかし スペシャルブレンド」という一貫性。さすが明石焼きのお店です。
若い世代の賑わいにニヤリ、こうでなくちゃ
フリで伺ったのですが幸運にも空きのカウンター席があり、すぐに着席できました。
レモンサワーをいただきつつ店内を眺めると、周りはほぼ若い男女でにぎわっている。
それもそのはずでとにかく安く、お酒と料理が楽しめます。
後ろのテーブル席から「ロッホローモンド クラシックのソーダ割り」「ワタシはオールドグランダッドにしよっかな」と、20代らしき女子の声が聞こえてきたのもうれしい。居酒屋でガヤついて出る注文じゃないだろ。
これからの時代、飲める若い人にはウイスキーはじめハードリカーにも興味を持ってもらわないと困る。
値上げ傾向のウイスキーにあって、それが問題にならないほど稼げればいいのだけど、普及の観点からすれば決してプラスにはならないでしょう。
おそらく採算度外視で紹介しているのであろう店主の心意気に、内心乾杯した夜でした。