酒を飲むとき、自分のボキャ貧ぶりに嫌気がさすとき、よくあります。「旨いねえ」「美味しいよね」「こりゃいい」。大概そんなものです。
それ以上の言葉といえば、せいぜいアイラ系のスコッチを飲む際に「煙い」だの「くさい」だの、クダを巻きながら唸るのがいいところでした。
これを表現できたらいいなと、昨年2016年7月からウイスキースクールで学んでいます。
僕が通っているのは、ウイスキー文化研究所が主催する数ある講座のうちの一つ、テイスティングセミナーです。
そもそもテイスティングってどうやるの?という初歩から、香り(アロマ)・味(フレーバー)の表現方法、テイスティングノートの付け方まで、講義で教えてくれます。
講師はウイスキー文化研究所(ウイ文研、旧称はスコッチ文化研究所)代表の土屋守さん。2014年秋のNHK朝ドラ『マッサン』の監修を務めたウイスキー評論家です。土屋さんが新潮社の編集者だったということも、ぼくにとってはツボで、味見以上に学べることが多いに違いない!と勇んだわけです。
飲みの愉しみに「表現する楽しみ」が加われば、語彙に厚みが増します。が、このテイスティングを繰り返すうちに、足らないことに気づきました。
ウイスキーについての「知識」です。
テイスティングで表現できるようになるには
- 酒の場数をどれくらいこなしたか
→回数。外でも家でもどちらでも構わない。 - 酒とどれくらい真剣に向き合ったか
→集中して味わう。対話するイメージ。「酔う」のは対話後に。加えて - 酒の歴史や製法、種類をどれくらい知ってるか
→その酒の源流、知りたくならない?
が必要だと気づきました。
1と2だけでも十分なんですよね普通なら。だって口当たりと舌ざわりで、感覚を得るものだから。
ただ、そこで得た感覚をアウトプットしようという場合、知識がないと、どうしても薄っぺらいものになってしまいます。
現場での「実践」だけでなく、関連の書籍を読む、プロに話を聞く、蒸留所などの原点を訪ねる。こうした周辺情報をひたすら地道に積み重ねていく。何の変哲もない答えしかありません。が、これらの積み重ねは、おそらくとてもとても楽しいものでしょう。
単なるウンチク好きから、泰斗となるべく、一歩一歩前進です。
原点を訪ねるといえば、こちらのツアーに参加することにしました。7泊9日のスコットランドです。ひたすら蒸留所を見て回ります。すでに申し込みは満員とか。