若鶴酒造(富山県砺波市)運営の三郎丸蒸留所が、2017年の蒸留所改修後初のシングルモルトをリリースしたのは2020年11月。
同社見学者向けに2021年4月に販売されたシングルモルト三郎丸のハンドフィル版をいただきました。
三郎丸2017 HAND FILLED(SABUROMARU 2017 HAND FILLED) 63%
- 香り…どっしりピートと強い主張。ココア、石灰岩、ミスドのココナツチョコレートボール。
- 味…鰹だしでスタートし、緩やかに甘く移行。麦芽、アーモンド、ロールケーキ。
- 総評…どっしりとしたボディに製菓材料が入り混じる。アタックのインパクトは一瞬、サラッとした甘さに早変わり。
87点
本数限定のシングルモルト「三郎丸 0 THE FOOL」(加水版とカスクストレングス版)と同様に3年熟成(2017年蒸留)。
ハンドフィルとは主に蒸留所限定品として販売されるもので、樽から瓶に手作業でボトリングされるのがポイント(ゆえにシングルカスク)です。
中には見学者自身に詰めさせてくれる蒸留所もあります。
三郎丸のシングルモルトを久しぶりにいただきましたが、3年でこの出来とは先々楽しみ。
とっつきこそピートが激しいものの、その後1stフィルバーボンバレルの特徴がもろに表れた形で、ココナツやクリームケーキの甘味が押し寄せます。
このまとめ方、若鶴酒造は代々受け継いでいるノウハウもあるだけに、他のクラフト蒸留所よりも一日の長あり、です。
同じタイミングで、富山市内を中心に販売されている「Lovers WHISKY」も少し。
「Lovers」とはニューヨークのリバーサイドパークと富山駅北ブールバールに設置されている彫刻(吉野美奈子さん作)で、このウイスキーの売り上げの一部は維持管理のため富山県に寄付されます。
こちらはブレンデッドウイスキーで、富山県産ミズナラ樽で後熟されているそう。
上述のシングルモルトとは一転。
スモーキーなキーモルトとはいえ、その名の通りピースフルな味わいで、白ブドウやレーズンバターの香りに、不二家のLOOKチョコレートの味が。
最初甘く、後口がほろ苦い一連の流れも良きかなという、対照的な個性の飲み比べとなりました。
@Atrium Ginza