鈴本演芸場2026年3月上席夜の部は春風亭百栄さん主任。「こてん縛り らくご晒しの会」と題するネタ出し公演、8日目を見てきました。
(途中から)
アニバーサリー 花いち
熱血!怪談部 彦いち
漫才 ホンキートンク
妻の旅行 はん治
あるあるデイホーム きく麿
仲入り
漫談 寒空はだか
鉄の男・中 小ゑん
紙切り 楽一
大工調べ 百栄
この回は前座の桃月庵ぼんぼりさんと二つ目の春風亭枝次さん、トリの春風亭百栄さんを除いて演者の新作がズラリ。
ベテランの柳家はん治さん、柳家小ゑんさんも創作ですが、このお二方はどこか古典みがあるのはなぜだろう。
しょっちゅう寄席に顔付けされているベテランで見慣れているからかもしれない。
百栄さんもぶっ飛んだ新作でならす噺家ですが、今席はどういうわけか10日間すべて古典落語縛りの芝居。
本人も「軽いいじめ」と高座に上がるなり自嘲気味。
古典と新作の二刀流の噺家は珍しくなく、百栄さんもそのひとりです。が、言い立てが最大の聴きどころである「大工調べ」を演じるのは興味津々。
大工の棟梁が店賃の抵当として道具箱を取り上げられてしまった与太郎のために、大家に持ち合わせの金を渡すも、少しばかり足りない。
棟梁の乱暴な取り繕い方に機嫌を損ねた大家は、ねちねちと棟梁を責め立てる。
じっと耐えていた棟梁がついに堪忍袋の緒を切らして大家に啖呵を切る場面が見せ場ですが、まったりした語り口の百栄さんがこれを披露するのが意外。
マクラから噺に入った瞬間にいきなり噛んだ百栄さん、自ら「嫌な予感しかしない」と苦笑。
客席も言い当ての場面をドキドキしながら聴いているのがわかる臨場感で、それもまた可笑しい。
通しでは大岡裁きの場面も含まれますが、寄席の今回は前半で締めくくり。
客席が女性が多く、普段の寄席とは違う雰囲気も面白かった。
新作の噺家さんの顔付けや落語会は私的には疲れるのですが、この日はなんだか得した気分でした。
