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第43回COREDO落語会:さん喬&喬太郎、師弟のコントラスト

第43回COREDO落語会

年末ならではの忠臣蔵しばりでの4席。
演者のひとりが突出しているのではなく、四者四様の高座を楽しめました。

四段目 桃月庵白酒
七段目 三遊亭兼好
カマ手本忠臣蔵 柳家喬太郎
仲入り
中村仲蔵 柳家さん喬

2025年12月21日13時30分開演 コレド室町1 日本橋三井ホール

『四段目』『七段目』と芝居好きの丁稚・定吉や若旦那が弾ける芝居噺。映画や演劇などのいいものを観た後、それをなぞってマネしたくなる人がいるのは昔からなのかもね。
白酒さんはマクラで相変わらず毒舌ですが、噺に入ると一転小僧がかわいく見える不思議。この人の持ち味としか言いようがないんだよな。

演題が出落ちの『カマ手本忠臣蔵』は……わかりますよね。
浅野内匠頭と吉良上野介とを昵懇の仲にアレンジした喬太郎さんによる怪作。
殿中ゆえにすれ違ってもツンツンしている吉良に浅野がおかまバーのおねえさんのように迫る始まりから、首を取られた吉良の墓場でのファンタジックなサゲに至るまで喬太郎ワールド全開です。

さん喬さんの『中村仲蔵』は、意外にも引き算な演出です。
妙見様へのお参りの帰り道、雨宿りした蕎麦屋で出会った浪人から役作りのインスピレーションを得るシークエンスは短め。
代わりに内助の功に徹し、優しく辛抱強く仲蔵に寄り添う女房おみつとのくだりが印象的です。
さん喬さんが演じると真に迫るのだけど、今どきこんな妻はいないよなぁ、どう見ても。

前日に愛弟子喬太郎さんの『ウルトラ仲蔵』を聴いていただけに不思議な気分。
同じ演目が師弟でこうも異なるのかと驚嘆しますが、おそらく喬太郎さんは師匠譲りの『中村仲蔵』もできるんでしょう。やらないだけで。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

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