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【美術展】竹久夢二展で「かんかんのう」の由来を知る

『竹久夢二 時代を創る表現者』展

東京国立近代美術館で開かれている企画展『竹久夢二 時代を創る表現者』(2026年10月23日〜2027年1月11日、前後期で展示替えあり)を観てきたんですけどね。

全国各地の夢二記念館&美術館などから一堂に会した約500点ものコレクションは壮観でしたが、そのなかでオヤッとなる作品が。
バテレンと赤い着物の日本女性が港をバックに踊る『九連環』(1918年、個人蔵)と題されたモダンな日本画です。

異国情緒に満ちた作品だなぁと眺めながらキュレーターによるキャプションを読むと、なんと「かんかんのう」を踊っている風景との解説が!

「かんかんのう」でピンと来たあなたは落語通。そう、古典落語『らくだ』で外せないモチーフの、あの踊り「死人(しびと)のかんかんのう」です。
長屋中から嫌われている荒くれ者のらくだ(あだ名)がフグ毒で死に、それを見つけた兄貴分が通夜に出す酒や食べ物を大家にせびる。
大家が拒むと、兄貴分は商いで長屋に来た屑屋の背中にらくだの死体を乗せ、大家の住居前でかんかんのうを歌いながら文楽人形でも操るように踊らせ、大家夫婦を震え上がらせるーーという嫌がらせをするのです。

かんかんのうは漢字で「看看兮」と記され、明治時代に中国南方から日本にもたらされた明清楽の代表的な謡曲だそうで、こんな由来があったとは全然知りませんでした。
すべての噺家に声を大にして伝えたい気分……って、知ってるっちゅーの。
でも竹久夢二(1884-1934)が「かんかんのう」を題材に絵に描いていた事実は案外知られていない気もします。

会場の終盤には代表作と名高い『黒船屋』も展示されていますし、ポスターや掛け軸、千代紙、雑誌の表紙、日本画・油彩画・木版画・スケッチ・スクラップブックなど実に多岐にわたる展示がなされています。
夢二という人は画家としてはもちろん、イラストレーター、商業デザイナー、詩人、エッセイストなどひじょうに多彩で、おまけにいい男ときた。

誰が見ても夢二とわかるレトロモダンの画風が想起されますが、今回展示の第4章にあった関東大震災のスケッチと記録文にはとくに引き込まれました。
自分の足で都内各地を巡り、呆然と歩く生き残った人たちの姿に「彼ら自身もまた自分の行き先がわからないまま歩いている」と省察します。
その感受性と洞察力、それを表現できる才能たるや。

会場にはまさに大正レトロの着物を着た女子たちの姿もちらほら。
現在のライフスタイルやファッションにまで影響力を残している夢二、50歳手前での早世はその才能が神に気に入られたからかもしれません。

下の写真は展示作品のひとつのクリスマスカード。ちょうど100年前!

竹久夢二画のクリスマスカード

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|毎日健全な酒活・週5でBAR飲み|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|ブログは不定期更新2,700記事超(2026年5月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性