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東京都現代美術館で、野村和弘の「ボタン」を鑑賞しつつ戯れる

『笑う祭壇』

東京都現代美術館(東京・江東区)は近現代の美術作品約5,800点を収蔵しており、会期ごとに異なるテーマのMOTコレクション展=常設展でそれらの作品を鑑賞できます。
企画展と常設展の鑑賞券はセットになっていて、最初は常設展を観る気満々だったのですが、お目当ての企画展「高橋龍太郎コレクション」で思いも寄らぬ鑑賞疲れ。
せっかくだからと気力を振り絞って、閉場1時間前に入ったところ、これがよかった。やはり美術館では常設展に行くべきですな、たとえ展示作品に興味がなくても。

今回、常設展で特に目を引いたのが特集展示を行っている野村和弘さんの作品です。
なかでも面白かったのが『笑う祭壇』という鑑賞者参加によるゲーム形式のミクストメディア。上のアイキャッチ写真は分かりづらいですが、来館者が色とりどりサイズもばらばらなボタンを「的」目指して放ることで作品が形成されるというもの。
白い枠線の外からボタンを投げて、「的=黒い台座のどちらかの上」に載せることができればゲームの成功。で、1日に投げられるボタンは、ひとりあたり小カップ2杯まで(カップは会場内のボウルに入っていて、来館者はそれをめいめい取って参加する)。

『笑う祭壇』の的

『笑う祭壇』のボタン

これがほんとに難しいw でも1回だけボタンを「的」に載せたんですよ。とはいえボタンは軽いのでノーバウンドで、小さな的に載せられるわけがない。
会場は他の参加者が投げ入れたボタンで埋め尽くされていて、そのボタンに自分の投げたボタンがバウンドし、予想もしない方向に行ってしまう。
狙いすませても土台無理なのですが、この意外な動きをするボタンに、大笑いしながら夢中になりました。

会場のスタッフに聞けば、これまで本作をいろんな美術館で展示してきた歴史の中で、黒い台座にボタンを載せた人(=ゲームに成功した人)は、通算10人。
東京都現代美術館の今回の展示では、3人の成功者がいるのだとか。そりゃ多いだろ! すごいなぁ。

他にも野村さんの変な(ユニークな)作品が展示されていて、(ネタバレになるから言いませんが)「何か」がズレたリカちゃん人形や、『植木鉢でできた植木鉢(インスタレーションのためのエスキース)』といった、見る者をとまどわせる作品がズラリ。
アーティストの従来の制作からは距離を置いているとのことで、鑑賞者からみればそれが意外な想像力をかきたてるのかもしれません。

視線をテーマにした作品(ウォーホルや奈良美智など)や女性作家特集も見ごたえありの今回のコレクション展は2024年11月10日まで。

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性