蒲田で車検に出した後は、定番と化したお楽しみがあります。蒲田駅から東急池上線で2駅目、「池上」周辺での散歩です。ここは昔ながらのお屋敷街と比較的新しい住宅街がミックスしたような街。駅前には賑わいのある商店街もあって、なんというか、人の温度を感じる素敵なところです。
ここでブラブラ歩き、寄り道するのは決まっています。まずは池上本門寺。池上駅から歩いて10分弱。住宅街の中に忽然と姿を現します。96段もの階段を上りきり仁王門をくぐると、日蓮が祀られている大堂を背に、広々とした境内に「おーっ」となります。この開放感、たまりません。東京の空は狭いですからね。いつ来ても天を仰いで広い空に見入ってしまいます。
毎年9月上旬に「大人のミニフェス」と称されたライブも行われるのも納得です。もっともぼくの場合、ここではフェスではなく、本院寺務所で毎年2回行われる春風亭一之輔さんの独演会を楽しみにしてます。
9月上旬の週末。この日はちょうど日が傾きかけた夕方の寂寥感も相まって、秋の風情を楽しみながら歩きました。
散策後は「古民家カフェ蓮月」へ。ここは和のしつらいにホッとしてしまい、つい長居してしまいそうになります。中を撮り忘れてしまったので、外の写真だけ。
この日はかねて行ってみたかった、「とんかつ燕楽」で夜ごはんを。燕楽という名のとんかつ屋さんは他にもいくつかあって、御成門のお店が本家。こちらはのれん分けだそう。ヒレ定食(2,200円)でがっつりいきました。肉の厚さが、もう……!
とんかつといえば食後は揚げ物特有のウンザリ感がまとわりつくのですが、思いのほか、食べやすくて驚きました。特有の油っぽさが全くない。というのも「豚の背脂ではなく内臓を包む腸間膜から取り出した貴重なラード」(と店内のボード書いてありました)を使っているから、らしい。
カウンターに岩塩が置いてあるのは、自信の証ですね。塩で美味しいとんかつは本物だと思うけど、その通りに美味しかった。以前住んでいた根津の「とんかつ ひのき」も、こうしたやさしい味だったなぁ。懐かしい。
池上は将来の移住先候補だと真剣に思ったひとときでした。