盛岡に行くと欠かさず寄る場所が、駅から徒歩10分ほどの材木町にある「光原社」です。宮沢賢治の『注文の多い料理店』を1924年(大正13年)に発刊した出版社として知られています。
もっとも、ぼくのいちばんの興味は賢治ではなく、ここで売られている民藝の数々と、併設される喫茶店「可否館」です。
賢治亡き後、民藝運動を起こした柳宗悦や型絵染の芹沢銈介、版画の棟方志功といった民藝運動家と交流し、その作品を紹介してきた光原社。材木町の本店ほか盛岡市内の北ホテル、仙台の支店(仙台光原社)があり、そちらでも民芸品の数々に触れることができます。温もりと質実剛健な手仕事の数々、いつ見ても素敵です。
そういった歴史、ルーツのみならず。ここ光原社はそのロケーション、雰囲気も素晴らしい(スタッフの許可を得て撮影しました)。日本有数の、隠れたフォトジェニックスポットと密かに思っています。紅葉の紅と建物の白のコントラスト、これに庭木のリンゴが差し色になっているようで、目の保養になります。
盛岡2日目のこの日は、「晴れ時々、雪」を繰り返す天候。それがまたドラマティックな効果で、iPhoneのカメラで撮りまくってしまいました。
もう一つ。ここを訪れたら、必ずセットにするのが可否館でいただくコーヒー。名物のくるみクッキーなど、ちょっとした菓子をあります。民藝家具に囲まれながらの一服。日常と接続していながらも、心落ち着く時間が過ごせます。