数え年で7年に一度、つまり実際は6年に一度行われる信州善光寺のご開帳(2022年4月3日〜同年6月29日)に初めて行ってきました。
ご開帳とは前立本尊(まえだちほんぞん/鎌倉時代の重文)が公開される一大仏教行事。
干支でいう丑年と未年に開催されてきましたが、コロナ禍で延期となり、寅年の今年の実施となりました。
そもそも善光寺の御本尊は、住職でさえ見たことがないという絶対秘仏。
前立本尊は御本尊の分身で、ご開帳の期間にのみ、本堂にお迎えされるというもの。
前立本尊の阿弥陀如来の右手に結ばれた糸は、ご開帳のときだけに立てられた本堂前の回向柱に伸びています。
参拝者は回向柱に手でタッチすることで、前立本尊との結縁がかなうという、たいへんありがたい行事なのです。
ぼくもギュッとタッチしてきました。
コロナ対策として回向柱には光触媒コーティングが施され、参加者は手指消毒必須(消毒液が置いてあります)、距離を保てるように警備員さんまで配置されています。
参拝したのは平日早朝、にもかかわらず境内は朝の法要「お朝事」(おあさじ)を受ける参拝者の姿があり、そこそこの人出です。
※参拝者の頭に導師が数珠で触れて功徳を授けてくださる「お数珠頂戴」は、コロナ対策のため行われず。
その後、昼ごろに再度境内に詣ったときには、回向柱に触れようとする人で大行列。
長野駅前から伸びる表参道の売店や食堂はどこも賑わっていて、本堂前には出張郵便局や佐川急便の臨時荷受所ができていたほど。
あなたがもしご開帳に詣でるのであれば、とにかく早朝、遅くとも各売店が開く11時よりも前がおすすめです。
ゆっくり静かに参拝したい人や、この時期のみの御朱印をいただきたい人は特に。
多少は空いていて、行列の度合いが全然違いますので。
余談ですが、ちょっと不思議な出来事がありました。
本堂への階段を上がろうとしていると、お寺の方でしょうか、白の法被を着た男性がお米(すでに炊飯されてある)を授けてくださったんです(下写真)。
「食べてもいいし、お供えしてもいいし、お好きに」というようなことを言われたと思います。
うれしい驚きですが、とにかくびっくりして、お礼を申し上げるのが精いっぱい。
帰宅後に冷蔵庫へ大切にしまいましたが、ありがたくいただくつもりです。
あの方はどなただったんだろう。
たくさんの参拝者がいるなかで、なぜ?
一瞬の出来事でしたが、後々まで記憶に残りそうです。