アイル・オブ・ジュラ蒸溜所は、アイラ海峡を挟んでアイラ島と向かい合わせに位置するジュラ島にあります。世界で2番目に大きいうず潮「コリーヴレッカン」と、バーンヒル・コテージが有名ですね。
そのシングルモルトのアイル・オブ・ジュラ(ジュラ)は、さほど積極的には飲みませんが、オフィシャルの2本を外飲み中に発見し、ハーフで飲み比べてみました。
アイル・オブ・ジュラ スーパースティション
- 香り…青々としていて、フローラル系で占められている。薔薇、プランター。
- 味…紙っぽさ。レーズンバター、ベリー系ジャム、後半ひたすらスイートに。余韻は中程度。
- 総評…ほんの微かにピート香もあって、複雑怪奇。この捉えどころなさこそ個性か。
「迷信」という意味深なネーミングだけに(?)、これだ!と当てられる何かがありません。ヘビリーピートの若い原酒×13~21年熟成のライトピート原酒をブレンドし、シェリー樽でフィニッシュさせているそうです。
アイル・オブ・ジュラ プロフェシー
- 香り…全体的に弱めの干し草様。ミント、後半にクローブ。
- 味…砂糖醤油、りんご、生姜。シナモンケーキ。甘みが残り、余韻は短め。
- 総評…これまた複雑。どちらかといえばフレッシュさを感じさせもする個性派。
こちらは「予言」の意味。フェノール値40ppmのヘビリーピートで焚いたモルトによる1999年蒸溜の原酒をメインに、リムーザンオーク樽で熟成させたノンピート原酒をブレンドしたそう。
ジュラは1999年の原酒を核とした企画モノをいくつかリリースしているのですが、このときは当たり年か何かで、仕込み量の上方修正でもしたのでしょうか。どなたかご存じでしたら、教えてください。
プロフェシーは、熟成とピートの有無をスーパー・スティションと逆にしたかのようですね。理科の実験みたい。
しかし、うーむ。もう不思議としか言いようがないのですが、ピートスモークを全くと言っていいほど感じませんでした。もう1回くらい飲んで、自分の鼻と舌の裏取りが必要かもしれない。
このジュラはパワフルという評価が目につき、それを否定するつもりはありませんが。どちらかといえば、個性的でありサスペンスフルでもある1本かな、と。
とはいえ、なんだか理屈をこねてスペックの当てっこしたくなるような、ユニークな1本であることは確か。予言と迷信、どっちも信じないけど、この酒は信じちゃう。結局そんなシングルモルトです。
@コンセール