駆け出し記者のころ、ともに取材先に通っていた仲間2人との飲み会があった。先輩というには堅苦しく、友人というにはなれなれしい。というわけであえて仲間と書く。2人とも年齢的にぼくよりも少し歳上だけど、付き合いが長くなるとほんとトシなんか単なる属性でしかなくなる。
その年上メンズのうち、ひとりが転職する合間のインターミッションを過ごしているとのことで、1年ぶりに集まることに。
この2人、数年前まで同じ大手IT企業で働いていた仲でもある。ここで言いたいのは職歴の一部が共通点ということでなく、ここも含めキャリアが5社以上にわたっていること。
2人とも主にコンテンツ業界で動いているが、紙だのウェブだのといった媒体だけではなく、一人は放送やゲーム、一人は漫画から人材業界にも自らの活躍のフィールドを広げている。
複数のタグを持っているのはもちろん、もはやボーダーレスに、業界や職種を渡り歩く。彼らは編集やライティングもできて、複数のプロジェクトを推進し、マーケティングの知識もあって、自ら現場(売り場)に出て売りまくる。
いち職人ならゴマンといるかもしれないけど、金勘定のできる職人となると割合が減り、実行力があって金勘定ができる職人となると……。
縦横に組織を渡り歩く2人と自分との違いは、マルチタグかそうでないか。他にもいろいろあるが、結局これに尽きる。
前回つまり昨年飲んだ辺りからこの違いが明確にわかってきて(遅いよ)、どうすればこの2人の先輩方に追いつけるか考えてみたけど、従来のやり方では無理。第一あまりに差がありすぎる。
であればどうするか。組織を渡り歩く自分を妄想するのはやめだ。とにかく従来の古い地図だけを頼るのではなく、自分が得た新たな知識と地図をもとに、自分の航跡を残したい。手探りだろうと手応えあろうと、ひたすら模索し続けるのみ。