ジャッジャーン。長濱蒸溜所(滋賀県長浜市)のニューメイクを、自宅DEミニ樽熟成させてみました。始めたのが昨年2017年11月5日。2か月ちょい、約65日間の結果やいかに?
自宅用のシングルモルトを更新すべく、近所のリカーマウンテンで品定めしてたときに、急に思い出しました。キッチンの棚にミニ樽をしまいっぱなしだったことを……!
もっとも、当初は3か月は置いておくつもりだったんです。が、昨秋のウイスキーフェスティバルで長濱蒸溜所の清井社長に声をかけ、ミニ樽熟成の話をしたら
「早く樽からボトルに移してください。意外と天使に持ってかれますよ」
とアドバイスされていたのをすっかり失念。「天使の分け前」(エンジェルズシェア、熟成中に蒸発してしまうウイスキー)ってヤツですね。おととい夜中、慌てて「樽出し」してみました。棚の中に放置していた樽を久しぶりに持ってみたら……。あれれ、かなり軽くなってる! 樽をゆすったら中身が波打つのがわかるんですよ。やばいぞこれは。熟成具合よりも、どれくらい天使に酒を持っていかれているかにドキドキ。
で、結果はこんな感じでした。
どうやら2カ月で3分の1といったところでしょうか。天使に飲まれてしまったようです。んーーー、天使は欲張りなんだか控えめなんだか、今ひとつよく分からんですねぇ。
で、気を取り直して味見です。結論から言えば「やっぱ美味しい」のひとこと。鋭角さが残っていたのがさらに◎。まあ何十年も寝かせたわけではないので、尖った感じが生きているのは当たり前といえば当たり前ですが。
魚のワタが嫌いという人がいるように、ニューメイク特有なクセを敬遠する人もいるかもしれない。でもぼくはこの粗さがたまらなく好きなんです。だんだんとやんちゃさが失われ、角が取れてくる。ウイスキーの熟成って、人が大人になることに似ていません?
いちお軽くテイスティングノートも。
長濱蒸溜所ニューメイク 59% 65日間ミニ樽熟成
- 香り…フレッシュ。生木、りんごの皮、洋梨、黄桃の缶詰。ハリエニシダ。焼きナス。
- 味…生姜、アップル。ピーチネクター、グレープフルーツ。最後は唐辛子。
分解すると複雑です。若さハツラツといったニュアンス。長濱蒸溜所は同じニューメイクでピーティなバージョンも出しているので、そちらも試してみることにします。
「長濱浪漫ビール」の醸造所がさらに蒸溜所として打って出た姿勢がアッパレです。関東では常陸野ネストビールの木内酒造(茨城県那珂市)もウイスキー造りを始めています。地ビールからウイスキーへのチャレンジ、聞いてるだけでワクワクしてきます。めっちゃ応援しますよ。
それにしてもミニ樽とニューメイクって、ナイスアイデアですよね。晩酌しない人もお遊びとしてやってみてはいかがでしょう?ネタになりますよ。