鈴本演芸場2月中席の初日(夜の部)に行ってきました。トリは昼の部が古今亭菊丸さん、夜の部が隅田川馬石さんです。ネタ帳はこちら。
林家あんこ「初天神」
五明楼玉の輔「財前五郎」
橘家文蔵「時そば」
橘家圓太郎「化物使い」
蜃気楼龍玉「もぐら泥」
春風亭一朝「看板のピン」
隅田川馬石「井戸の茶碗」
昨年末の「柳田格之進」に続いて、馬石さんの人情噺でした。「切通で~」なんてハナシが出てきたので、一瞬また「柳田」かとドキッとしましたが。「井戸の茶碗」は正直者がばかを見ないし、その果てがわらしべ長者みたいになるんですから。ぼくは好きです。馬石さんの語り口、しみじみと聞き入りました。普段は年齢層が高めで男のほうがやや多い鈴本ですが、この日はファンらしき女性層がやはり多かったですね。
それにしても「井戸の茶碗」で思うに。誠実すぎる侍二人の間に立って右往左往し、また見事な仲介役を果たす屑屋の清兵衛さんがもっとフォーカスされてもいい気がするんですよね。清兵衛さんも少しは金子をもらいますが、この働きにしてはやや儲けが少ないような。まぁ身分社会の商人だから仕方ないのでしょうが。
毎月の毎度、今時分は仕事でピークを迎えるタイミングです。暦は3連休ですが、ぼくの仕事は間の1日だけ休み。最近はきつくなると、寄席か美術館に足が向かってしまいます。笑いに笑ったり、美しいもので心を洗濯したりして、一度リセットしたいんですよね。こうやって齢を重ねていくんでしょうね。