古今亭志ん生の系譜を受け継ぐ落語家が集結した5夜連続の落語会『大古今亭まつり』の4日目に行ってきました。この日の演者は桃月庵ひしもち、隅田川馬石、金原亭伯楽、柳家さん喬、むかし家今松、五街道雲助の皆さん。名づけて「渋好み金原亭の会」だそうです。
ホール落語の良い点のひとつは、寄席では聴けない大ネタや、噺家本人の得意とするネタを聴けるところ。隅田川馬石さんが高座に上がるなり「“渋好み”だそうですよ、皆さん」とお題に触れていましたが、この日はお客さんも実際、相当落ち着いていて静かな印象。着物姿の方もけっこう見かけていい感じです。
圓菊、志ん朝、金原亭というバラバラな噺家の3つの長屋が軒を連ねているのが「古今亭」と話した馬石さん。志ん生から十代目金原亭馬生、三代目古今亭志ん朝へと至る噺家とその周辺の交遊録と裏話をまくらで話した伯楽さん。
古今亭ではなく柳家からの参加となったさん喬さんは、「ゲストってのはつらい。楽屋でいじめられるんです」と冗談。威勢のいい語り口の今松さん。志ん朝の「お直し」しか聴いたことがなかったけど、そのきれいな感じを今のリアルに見せてくれた雲助さん。
どの人も師匠、大師匠への愛と亭号への愛があって、聴いていて心温まるものでした。第一弾ということで、今後も古今亭は同様の企画がありそう。楽しみです。