ある女性演歌歌手の談話を取りに某所。このトシになるとインタビュアーは若いメンバーに譲ることが多いのですが、人手が足りず出張ることに。今回は久しぶりの現場でしたけど、行ってよかったです。なぜそう思ったのか、取材の気づきを反芻してみました。
1.笑顔の対応
取材は番宣スポット撮りとスチール撮影の後に行われるスケジュールで、取材時間も正味15分あるかないか。非常にタイトな中で、彼女は終始笑顔を絶やさなかった。
そんなことかって思います? 意外に少ないんですよね、こういう芸能人。無論愛想どうこうを言うつもりはありません。仕事モードになると緊張が走るのは当たり前だし、疲れもあるだろうし。
取材時間になってもその笑顔は続きます。大勢のスタッフに囲まれながら、最後の最後まで気遣いの姿勢を崩さない。自分を取り囲む取材陣の目を見て話す。演歌歌手という仕事柄もあるのかもしれませんが、ファンとその向こうにいるマスコミを大切にする方なのですね。
2.聴き心地の良い声
「よろしくお願いしまーす」という声が聞こえ、彼女が入ってきたと分かりました。当たり前なのですが、明らかに素人とは声質が違う。声が伸びやかで、そこだけ3Dみたいに立体的なんですよね。聴いていて耳に気持ちいい。これがプロだよなと改めて感嘆させられました。
3.意見を言う小気味よさ
何度か小物を身につけるスチール撮影で、「衣装に合わない」と彼女が意見する場面が。結局小物を身につけず撮影続行。周りのスタッフを立てながらも、言うべきは言う。任せきりでなく、細部まで自分の見せ方に気を配るのはやはりプロです。
実に気持ちのいい正味15分でした。彼女はNHK紅白の超常連ですが、華奢なのにパワフルで大らか。人と会うことは必ずしも楽しいことばかりでありませんが、やめられない。自分が見習うべき人に会えたとき、一際それを感じます。現場冥利に尽きるとはこのことです。