上手なティッシュ配りに、頼みごとの奥義を見た。

毎朝いつも降りている地下鉄の地上出口で、いろんな人がポケットティッシュ配っています。ティッシュ以外にもチラシやクーポンなど、とにかく宣伝の類のものです。

たいていはスルーしてしまうのですが、数年前ついつい受け取ったことがあります。配るのがものすごく上手なおねえさんだったのです。ティッシュはたしか銀行系カードローンの宣伝だったと思います。

彼女は通勤者=歩行者の邪魔にならないよう、階段を上りきった地上出口の左脇で待機し、

  1. 歩行者がちょうど出てきたところ、階段の最上段を踏んだと同時に
  2. 右手で刀を抜くように手を動かし、出てきた人のおなかのあたりに
  3. にゅーーーっとポケットティッシュを差し出す

たったこれだけの動作なのですが。ちょうどピッタリのタイミングで差し出されたものですから、ついつい手が出てしまった。いや、手を出すという意思すらなく、気がついたら自然と受け取っていたという感じ。あまりに上手だったので、ティッシュを受け取った直後、歩きながら思わず振り返ったほどです。

振り返って見た彼女の後ろ姿。姿勢は屈み気味に、顔を上げず、ひたすら歩行者の足元を見ていた気がします。いかに通勤で急ぐ人に受け取らせるかに、神経を集中させているように思えました。

何が言いたいかといいますと。相手に負担させずに(負担と思わせずに)何かをしてもらう。時として意思すら使わせず。これは、頼みごとの究極のテクニックだなぁと。ティッシュひとつに大げさですかね。

そういえば、前にいた会社で街頭アンケートを取ったことを思い出しました。素通りされず答えてもらうには、ちょっとしたコツがあるんですが、それはまたの機会に。