少量生産でクオリティ優先、手間とコストを厭わずに地域性を打ち出すクラフト(マイクロ)ディスティラリー。ビールもウイスキーも「クラフト」が大ブームですが、2005年創業のキルホーマンはまさに火付け役。その先見の明に感嘆します。
キルホーマンの定番をきちんと試してみました。
キルホーマン マキヤーベイ
- 香り…弱めながらも主張あり。海藻、潮風、柿、麻布。
- 味…ミディアム。入口は柔らかで甘辛く、徐々に甘みが増す。ミント、グレープフルーツジュース、仁丹。後口はスパイス。
- 総評…一言で「爽やかなアイラ」。アイラ系特有のピート香が苦手な人でも受け入れやすいのでは。まずはストレートで、徐々に水を足しても◯。
- 次に飲むのは?…ウルフバーン ノースランド。
@カドヤ黒門町スタンド
キルホーマンの定番品で、3〜5年の熟成を経てリリースされたものです。熟成の樽はバーボンとオロロソシェリーバットのふたつで構成比率など詳細は不明。
ですが、柔らかくキツくない甘さはバーボン樽メーンに仕上げているのは間違いないでしょう。同じキルホーマンでもオロロソシェリーバットの影響が強い、「サナイグ」と飲み比べると一目瞭然です。
スモーキーフレーバーの参考になる麦芽のフェノール値は50ppmで、アードベッグ(55〜60ppm)とほぼ同程度。そしてアードベッグTENと同様に柑橘系の甘さもあります。この50ppmの麦芽はポートエレン製。
ほかキルホーマンでは、フロアモルティングで大麦加工した自家製麦芽(フェノール値25ppm)も2割ほどあるといいますから、これはリリース時にはけっこうはプレミアが付きそうですね。
マキヤーベイは現時点でキルホーマンのフラッグシップと位置づけられていますが、3〜5年でこの出来、ベリーグッドです。今後ほどなく出回るであろう10年ものがどう仕上がっているか。期待せずにいられません。