数日前の報道ですが。イチローズモルトの「カードシリーズ」がオークションに掛けられ、ジャパニーズウイスキー史上最高額で落札されたそうです。
その額、約9750万円(!)だそう。高額な落札値もさることながら、シリーズ全54本が未開封の状態で残っていたことが驚き。実際すべて揃っているのは世界でたった4セットといいますから、高騰に拍車がかかるのもわかります。
高額なボトルといえば、アイラ島のボウモア蒸留所の「ブラックボウモア」とか、マッカランの「ピーター・ブレイクボトル」とかが挙げられますね。特に後者は2018年のオークションにおいて、1億円超えで落札されたことが報じられました。
熱心でリッチなコレクターに落札されれば、もはや嫉妬すら起きず、ただただスゲーとしか言いようがありません。上の記事のインタビューで秩父蒸留所ファウンダーの肥土伊知郎さんが、あまりの高値に「飲んでもらえるか心配だ」とコメントしていますね。
そう。戸棚に入れて飾っておくしかないような気がします。ボトルたちを並べて眺めてご満悦という図ですね。ほんとうはパーッを開栓しちゃうのが良いんでしょうけど、もはやストックがないとなると、どうなんでしょう。
イチローズモルトは高い評価を確立しています。一方で、評価に値しない製品を出すメーカーが、少量生産・限定生産をはかり、そのお酒が高騰してしまうことが怖いですね。それでは煽り商法、炎上商法と何ら変わらない。取り越し苦労で済めばいいのですが、残念ながら今の日本で「そんなことはない」と断言できないのが悲しい。
飲み手はつられることなく冷静に評価したいところ。まずは「自分がどう思うか」を大切にしたいです。