一之輔さんの落語は、さばけた女性像もリアルで楽しい。

宮城峡蒸留所ともうひとつ、仙台訪問の目的は春風亭一之輔さんの独演会。予想以上の熱演(だけど自然)な一之輔さんに、めいっぱい笑わせてもらいました。

現在、一之輔さんは「ドッサりまわるぜツアー」と題し、全国ツアーを展開中です。

仙台電力ホールで行われた今回の仙台公演。ネタはこちら。

春風亭一之輔「トーク」
春風亭与いち「手紙無筆」
春風亭一之輔「がまの油」
春風亭一之輔「化物使い」
中入り
春風亭一之輔「青菜」

「ドッサりまわるぜツアー」は一之輔さんがまずは私服で高座に登場。といっても座布団に座るわけではなく、ステージ上でスタンダップトークを展開します。電力ホールはキャパ1,000人。古い会場は客席中央に通路がありますよね、遠くから来た人は?といって岩手・青森など場所を挙げながら聞いていく、などフリートークで客席をあっためていきます。

時折客席をいじりつつ、冒頭から大笑いさせちゃう。何のけないトークなのですが、客層や客席の反応を観察しているのではないかな。

仙台の出身という与いちさんの一席を経て、一之輔さん登場。お子さんと一緒に高尾山に登り、アイスのパピコをねだられたというマクラからの「がまの油」へ。

一之輔さんの「化物使い」は表情豊かで、人使いの荒いご隠居は豪快な人物像に。「青菜」は一之輔さんの考える女性像がよく表れた演目です。

一之輔さんの演じる「かかあ」は、やっぱり亭主を尻に敷く強い女性が多い。この「青菜」も、なんだかんだで子どもがそのまま大人になったような男のワガママに付き合ってやっています。コワモテなんだけど、憎めないどころか、愛すべき女性に造形されているんですよね。

一之輔さんは子どもの演じ方にも定評があります。が、芯が強くて気取らなくて、亭主を愛する女性を体現する演じ方もいいなぁと思います。

ところで。僕は演劇やライブを地方で見るのが好きで、今回の仙台はクレイジーケンバンドの仙台公演(たしか宮城県民会館)を観て以来、実に13年ぶり。東京で事足りるだろうに、なんでわざわざ遠征するのって? 演劇にせよライブにせよ、演者・アーティストは東京で観る以上に力が入っているように思えるからなんです。

出演者にすれば「どこに行こうと、どこで出演しようと同じ」と否定するでしょう。場所や地域によって力の入れ具合が違うなんていう人がいるわけありませんし、どこであろうと手を抜かないのがプロってものです。けれども東京でおなじみの演者や演目を地方で見ると、明らかにテンションが異なる、出来がいい意味で違うことがよくあるんです。

東京はファンが付けば黙っててもある程度の集客が見込めます。けれども演じ手にとって、地方のお客さんに自分の姿を見せるチャンスは、東京に比べればどうしても少なくなります。新たなファンを取り込めるかもしれない。そう思えばこそ熱が入る。ある意味当然のことなんですよね。

そういう違いを確かめに、地方に足を運ぶという楽しみもあるんです。