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「青菜」は、ひいきの噺家で見たい演目。

大手町二人会 三三&一之輔

柳家三三、春風亭一之輔の「大手町二人会」(2018年7月26日、日経ホール)に行ってきました。

桂宮治「熊の皮」
柳家三三「茄子娘」
春風亭一之輔「青菜」
仲入り
春風亭一之輔「麻のれん」
柳家三三「忠治山形屋」

大手町二人会は桃月庵白酒さん、三三さん、一之輔さんの3人のうち2人が、隔月で出演するホール落語会。今回は三三さんの「茄子娘」で始まりました。「茄子娘」は、どこか大林宣彦監督の映画を彷彿させるようなファンタジックでノスタルジックな噺。「宮戸川」にも通ずるような艶っぽい場面ではシーンと静まり返った会場に、三三さんが「そーんなに集中しなくてもいいんですよ」と絶妙な間を取ったほど。

一之輔さんは「青菜」。先日の仙台に続き、2回目です。屋敷での夫婦の風流なやり取りをマネしようとした植木屋さんの滑稽噺。夏の噺の定番ですが、一之輔さんが大田蜀山人の狂歌の話を始めた途端、会場にどよめきが。

みんな「青菜」という演目が大好きなんですね。そういえば別のホール落語会で桃月庵白酒さんが「青菜」を始めたとき、手をたたいて喜んだファンがいたそう。

妙なたとえですが、宝塚ファンが『エリザベート』をひいきのジェンヌで見たいように、落語ファンも「青菜」をひいきの噺家で見たいのでしょう。「青菜」とは、どうやらそういう演目なのですね。

一之輔さんの二席目。「落語家は高座をいつも懸命に務めているってわけじゃなくて、今日はどこで飲もうかなと考えながら話すときもあるんですよ。サラリーマンの皆さんが会社でネットサーフィンをするように」と言いつつ、だから飲む噺がいいですねというマクラから夏の噺「麻のれん」を。

「忠治山形屋」は、国定忠治が弱きを助け強きをくじくストーリーで、講談みたいな話だなと思ったら案の定、講談や浪曲で演じられているようですね。

三三さんは古典落語の定番だけでなく、意外な引き出しをバンバン開けますね。冒険家でつねに探求のスピリットを持った方なのだなぁと改めて思いました。

そうそう。この二人の前に出演した宮治さんは、落語芸術協会の二ツ目でYouTubeで枝雀さんの落語を見てこの世界に入ったという超変わり種(インタビュー記事ありました)。宮治さんを初めて見たのですが、相当くすぐり要素の入った疾走感あふれる「熊の皮」、気に入りました。

出てくるなり「待ってました!」とか「たっぷり!」とか声掛けする人がいて、これにはびっくりしました。この二人会では事前に宮治さんが出ると告知されていないですから、本人のツイッターやサイトをチェックしているファンでしょうか、すごい熱心ですよね。宮治さん、メモっておきます。

大手町二人会 一之輔・三三 2018年7月

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

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