どうにも疲労困ぱいなとき、行き詰まったとき。そんなとき、いちばんの気分転換は身体を動かすか、絵を見に行くか。このどちらかです。
睡眠に充てるのは簡単ですが、貴重な閑の時間、自分の内なるカーテンを模様替えすべく、彌生の絵を見に行きました。
「草間彌生 わが永遠の魂」@国立新美術館
エントランスでは富士山の絵がお出迎え。一気に気分が盛り上がります。すぐの広間には、大画面の連作「わが永遠の魂」が壁一面にびっしりと掲げられています。
写真では分かりづらいですが、ほとんどがS120号(194×194cm)と呼ばれる正方形だそうです。総数500点超のうち、今回は新作含め132点が展示されているとか。
「私には時間がない」とばかりにひたすらキャンバスに向かう彌生(親しみと敬意を込めて、あえてファーストネームでさん付けせずに呼びたい。ぼくの中では伊丹十三もそう)の鬼気迫る姿が目に浮かぶようです。
ただ、今回の展示の中で発見であり魅了されたのは1940年代の初期から1980年くらいまでの中期に至る、内省的な作品でした。アーティストが高く評価される唯一無二のオリジナリティは断然、今のほう。なのだけど、暗喩的で、内に秘めた情念を感じさせるルーツの作品、もっと注目されていいのでは。写真撮影NGでしたが、若かりし彌生のを目当てに図録を買い求めてもいいくらいです。
国立新美術館に来ると、必ず立ち寄るのがB1Fのミュージアムショップ。こことワタリウム美術館のショップは双璧といっていいくらい、おしゃれでMyツボのものが置いてある。フライターグやミナペルホネン、ガジェットや文具。いちいち無駄遣いの衝動を起こさせてくれます。
なんとかやり過ごしたら、2Fの図書室へ。ここは人も少なくて、美術館の喧騒が嘘のよう。静かで本だけに集中できます。図録だけではなく、美術系の雑誌も幅広く置いてあって、心落ち着く場所です。