1杯目のインパクトがあったため、続くウイスキーをどうするか。ここは店主にリコメンドをお願いするのがいちばん。で、これはどう?と勧めてくださった1杯をいただきました。スイス産のシングルモルト、ランガトゥン(ランガタン)です。
ランガトゥン シェリーカスクフィニッシュ 46%
- 香り…主張あり。イチジク、ココア、干し草。
- 味…とろりとしてディープ。クローブ。ドライフルーツの盛り合わせ。TOPSのチョコレートケーキ。後半にクルミ、若干の胡椒っぽさ。
- 総評…スペイサイドのシェリー樽熟成、それも長熟のシングルモルトを彷彿させる極甘口の味わい。食後のデザートモルト。
@ですぺら
1杯目のポルフィディオ2Gに負けないシングルモルトということで、店主・中村元昭さんに相談して決めました。いただいてみると、シェリー樽の良いとこ取りしたかのよう。あまりに粘性の高いテクスチャーに、最後のほうは水を少し口に含んで飲んだくらい。程よいバランスが取れるようでした。
このランガトゥン、おそらく熟成年数は5~6年。にして色合いも味わいも濃ゆい。ブラインドで出されたら、スペイサイドの長熟ものかなと間違えそうです。がしかし、スコッチとは似て非なる個性がありました(被らないです)。尋常ではない深さとともに、固有の個性を感じました。
スイスにウイスキーの蒸留所というと、ちょっと意外な気もしませんか? このランガトゥン蒸留所、ヤコブ・バーンバーガーさんによって1857年創業。あのグレンフィディック蒸留所(1887年創業)よりも歴史が古いんですね。一度は閉鎖の憂き目に遭ったものの、2005年に4代目のハンス・バーンバーガーさんが継承。その3年後の2008年には、少量の予約販売のみボトルをリリースしたようです。
あまたの世界各地の蒸留所よりも小規模らしいのですが、年間生産量や蒸留器の数・仕様などの詳細は不明です。武蔵屋さんのサイトを見てみると、在庫僅少でほとんどのボトルが品切れとなっています。
公式サイト(英語)によれば、ジンやウォッカも造っているし、ビジターセンターを設立したりガイドツアーも行ったりしているようです。かなり活発に稼働中で、要注目のクラフト・ディスティラリーではないでしょうか。次の限定リリースはいつかも不明ですが、楽しみに待つことにします。