ウイスキーフェスティバル2019 in 東京に行ってきました(2019年11月16日・17日、ベルサール高田馬場)。今年は2日目のみ参加。今年はグレンファークラスのセミナーに参加するほかは、特段の目的はなかったのですが、国内蒸留所のニューポット(ニューメイク)を味見して周回することにしました。
すでにニューポットを体験済みの厚岸、静岡以外のブースへ。個人的に鮮烈だった嘉之助はもう一度確かめてみたくなり、ニューポット2種類を試飲。下写真「SS1」「SS2」と表記されているのは、ポットスチル(単式蒸留器)の違いによるもので、SS1はラインアームが下向き、SS2は上向きのもの。下向きのほうが重い酒質になりますが、嘉之助は3つあるスチルの容量がそれぞれ異なるので、飲んでみた感じといい、一概に言い切れないのかなぁと。いずれにせよ両方とも好みで、先々が楽しみ。
ニューメイクでの良い発見は、新旧メーカーの2つ。新しいところでは山形県初の蒸留所、遊佐蒸留所です。運営は焼酎メーカーの金龍で、2018年11月にローンチ。当面は製造に集中すべく、一般見学は予定していないそうです。
いただいたのは下写真左端、ノンピートのニューメイク。思いのほか優しい味に驚きました。鳥海山の伏流水、麦芽はスコットランド産コンチェルト種を使用。同国フォーサイス社によるコンサルティングを得て、シングルモルトのみ生産するとのことで、この選択と集中は腰が据わっているなと思います。熟成樽はバーボンカスクがメーンとか。
旧いところでは1756年創業、笹の川酒造が運営する安積蒸留所による2種類。オイリーでややスパイス感のあるノンピート版もさることながら、個人的にはピートを効かせたバージョンのほうに驚きが。特有のムッとする臭気よりも、アクセントの機能があるピート香という印象で、そこが良い感じと思います。
いやはや、ニューポット攻略は盲点でした(助言をくれた宮澤さんに感謝)。北海道から九州まで、日本のクラフト蒸留所はどこも固有の特徴やブランディングで勝負していて、易きに流れることをしていないなと感心します。この調子で行くと、熟成年数を経たウイスキーがどのように仕上がるのか、空恐ろしくさえなります。
時間経過の速さがイヤになりますが、ことウイスキーについていえば真逆。未来が待ち遠しい限りなのです。