発酵=ファーメンテーションといえば、製麦→糖化→発酵→蒸留→熟成……という、一連のウイスキーの製造工程を想像してしまう性質です。先日、東京・渋谷のヒカリエに足を運んだ際、その発酵にまつわるユニークな展覧会に遭遇し、のぞいてみました。
その名も『Fermentation Tourism Nippon〜発酵から再発見する日本の旅〜』。ヒカリエの8階、d47 MUSEUMというスペースで、2019年7月8日(月)まで開催中です(~会期中無休、入場無料)。
なんと、47都道府県それぞれで生産される発酵食品を展示。っていうか、日本のすべての都道府県で発酵食品があったとは。日本酒とか、水戸の納豆くらいしか想像できませんでしたので、ほんとうに驚きでした。
展覧会は発酵デザイナーの小倉ヒラクさんがキュレーションしているそう。この展覧会がユニークなのは、展示物の脇に添えられているシャーレに入った食品の匂いを嗅げること。
なんとも言えない香ばしい芳香を感じさせるものもあれば、くさや(東京代表!)のアノ匂いもクンクンできます(注意書きが可笑しい)。
ぼくは、お酒のつまみ系に反応してしまいました。なかでも富山の「黒作り」というイカの塩辛が気になりました。色が真っ黒。なんでもスルメイカのイカスミと肝臓を混ぜたものらしく、美容や老化防止にもいいらしい。展示パネルの「日本酒をエンドレスに飲める」というキャプションもそそられます。
それにしても、47都道府県の意外性を垣間見るかのよう。郷土料理の多様性と奥深さに感嘆します。展示を熱心に見て、匂いを嗅いでいると時間があっという間に過ぎていきますのでご注意を。