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東京都庭園美術館の室内装飾。

東京都庭園美術館「建築をみる2019」

今年2回目(前回の『岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟』展以来)、東京都庭園美術館に行ってきました。こちらでは毎年1回、東京都庭園美術館=「旧朝香宮邸」の建物(重要文化財)そのものに焦点を当てた企画展を行っています(2019年は9月23日まで)。今は美術館として使われていますが、ここはかつて宮家の朝香宮鳩彦王(やすひこおう)の自邸だったんですね。

鳩彦王(1887~1981年)がフランス留学中に交通事故に遭ったのが原因で、見舞いに渡欧した允子妃とともに長期滞在。アールデコ全盛期にその様式美に魅了された夫妻は、帰国後、自邸の建設に際してアールデコを取り入れたんだとか。

フランス人装飾美術家のアンリ・ラパンが設計を、宮内省(現宮内庁)の内匠寮工務課が設計監理を担当。主要な内装工事は戸田組と内外木材工藝株式会社が請け負い、家具製作や漆塗装、装飾金物、石材、照明器具、タイルなどなど60以上もの国内企業が建設にかかわっています。

建築素材、室内装飾の細かい意匠はぜひ足を運んでいただいて間近にチェックしていただきたいところ。天井から冷暖房の目隠し、窓枠の錠前ひとつに至るまで贅を尽くした邸宅というよりも、邸まるごと日仏のデザイナーの美が結集した芸術作品としても過言ではありません。

フランスから船便で材料を取り寄せて、日本で組み上げた装飾も多数。朝香宮夫妻の熱意もすごいですが、その設えに特に熱心だったのは允子妃のほうだったそう。展示室にある年表を見て気づいたのですが、允子妃は邸完成からわずか半年後にで逝去されてしまったそう。もう少し長く生きて、この邸での暮らしを続けたかったことでしょう。なんという歴史の皮肉……。

普段の展覧会開催時では、カーテンが閉ざされていて、中から外のお庭を眺めることはできないですが、この期間中は、庭園と一体になった部屋の開放感も味わうことができます。その際、3階にある「ウインターガーデン(温室)」にもぜひ寄ってみてください。

ウインターガーデンは下記写真のような部屋ですが、ビビッドな黒市松デザインの床は人造大理石で、腰壁の国産大理石と素材をわざわざ違えているそう。窓から差し込む採光はまぶしすぎるほど。この部屋の見学は定員制ゆえディテールまで見られますが、見学は10分以内ですのでご注意を(ほんとに採光が素晴らしくて暑いくらい)。

あと、リュックとか手荷物は1階入口にあるロッカー室に預けたほうがいいです。知らないうちに背中のリュックを壁に当ててしまう人がいるようで、ほんと気をつけたほうがいいです。文化財は公開すると途端に傷むといますから、こうして公開して見させてもらえることに感謝です。

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hiroki「酒と共感の日々」

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Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性