ブレンデッドウイスキーに再び光が差す日。

日本だけでなく世界的なウイスキーブームといわれて久しくなりました。その主役は、やはりシングルモルトウイスキーです。

たしかにシングルモルトは面白い。生産地域や蒸留所ごとの違い、蒸留所や造り手のストーリー、自分の知識が増えるほどに知りたくなる蘊蓄、同じ銘柄&同じスペックの酒ですら1樽ごとに異なる個性……。一度手を付けてハマってしまったら最後、その沼から這い出ることは困難です。

ほんとこの旅は楽しい。だがしかし、とも思います。この果てなき旅を続けていくには、やはり相応の旅費が必要です。その意味で、自分も含めシングルモルトに夢中な人は、肝臓の調子以前に懐具合が気になるところでしょう。

お金持ちの人はいいんですよ、そんな悩みなんか無縁なんだから。そうでない市井のシングルモルト愛好家は、けっこう大変な時代だなと思います。ウイスキーは相対的に高騰する傾向にあっても、安くなることは期待しないほうが賢明です。

だからメーカーも最近は「手の届きやすいように」と、ノンエイジのリリース傾向が顕著です。熟成年数が多い、経年が長いのがエライという指標は、そう遠くない未来、過去のものになっていくでしょうね。年数の浅いものや、若いのと長熟ものとをヴァッティングしたノンエイジでリリースし、新たな土俵で勝負する。そんな風向きにすでに変わっています。

ただし、今までと変わらないものもあります。居酒屋さんで飲める汎用的なウイスキー。すなわちブレンデッドウイスキーです。世の中にはスコッチを中心に1,000円台、2,000円台で飲めるウイスキーがたくさんあります。

「シングルモルトのみ!」という人にはそっぽを向かれるかもしれませんが、高騰傾向にある今だからこそ、ブレンデッドの頑固さとお値段の落ち着きに、もう少しスポットライトが当たっていいよなぁ。

一部のシングルモルトもそうですが、「安価で」「美味しい」という両方の条件を満たすウイスキーの数でいえば、当然ブレンデッドのほうに軍配が上がります。今はシングルモルトが目立っていて、それはそれでもちろん十分楽しいですが……。

何がきっかけで流れが変わるか分かりません。こんなに高値傾向が続くなら、そのうちブレンデッドに揺り戻しが来るのではないかとも思います。

この記事を書いた人

hiroki

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編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて100軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 健全な酒活 / ブログは原則毎日更新750記事超(2019年2月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性