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三遊亭圓朝がコレクションした幽霊画に、恐怖よりも美しさを感じる。

谷中圓朝まつり「幽霊画展」2019

日本語の大家、落語中興の祖、三遊派の始祖ーー。幕末から明治にかけて生きた落語界伝説の人=三遊亭圓朝(1839年〜1900年)といえば、落語以外でもそのプロフの枕詞が多数出てくる人です。教科書に太字で載ってもいい。落語好きな人にとっては、「真景累ヶ淵」「牡丹燈籠」「死神」など多数の創作でも知られる、雲上人ですよね。

東京・台東区谷中にある臨済宗 全生庵で開かれている「幽霊画展」(〜2019年8月31日、10時〜17時/拝観料500円)に初めて行ってきました。自宅から行きやすいにもかかわらず例年時間をつくることを怠り、「また行きそびれた」で終わっていたのですが、今回ようやく足を運びました。

明治期の幕臣・山岡鉄舟が建立した全生庵は、その導きで禅を修めた三遊亭圓朝が遺した幽霊画コレクション50幅を所蔵しています。圓朝忌が行われる毎年8月の1カ月間、その幽霊画を当地で公開しているんですね。

幽霊画のほとんどが掛け軸。円山応挙、河鍋暁斎、柴田是真、伊藤晴雨が描いたと伝えられる幽霊画が一堂に会します。これほどの展示を圓朝さんが集めていたのが驚きですが(怪談創作のヒントとするために幽霊画を収集していたらしい)、作品に描かれるほとんどが女性なんですよね。男性とか動物とかは2割くらいしかない印象。そのどれも、ひじょうにインパクトのある画なのですが、正直震え上がらせるものではない。むしろ、クギづけになって見入ってしまうような作品でした。

強いて「怖い」というのは、女性の顔が隠されている(あるいは自らの意思で顔を隠しているような)作品です。表情が見えず、鑑賞する側が顔貌を想像するしかない絵のほうが、恐怖感が増します。

五代目柳家小さんが寄贈したという幽霊画もあったのですが、こちらが個人的にはツボでした。なんというか、河童とか一つ目小僧とか、かわいらしい画なのですよ。初見の方はこちらもぜひ。

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hiroki「酒と共感の日々」

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