JR御徒町駅北口から徒歩約3分、上野駅から約7分。アメ横からガード下を隔てて、昭和通り側にある「純喫茶 丘」(東京都台東区)を訪ねました。雑踏風景に溶け込んでいて、意識しなければ通り過ぎてしまうくらいの建物と入口。しかし、ひとたび入ると、石造りの古城内部を思わせる秘密基地的な異世界が広がります。
入口ではまずデカいシャンデリアがお出迎え。そこから地下に階段を降り、自動ドアから足を踏み入れると、そこにはシャンデリアと白熱灯による暖色系の照明空間が広がります。これだけで一気に昭和にワープする心持ちです。すぐ左手には、さらに地下2階へと続く階段がありましたが、伺ったのが週末と土曜日とあってか、この日はクローズ。
厨房に面したいちばん奥の席で、革張りのソファに腰掛け、ホットコーヒーを。啜りながら改めて室内を眺めてみると、ここだけ時間が止まったかのような雰囲気、しつらいに惚れ惚れします。密談や謀(はかりごと)の舞台として、サマになる感じがたまりません。なんでも1964年(昭和39年)創業だそうで、おそらく内装はそのまま使われているのでしょう。テレビドラマのロケ地としても使われているようで、入口には櫻井翔さん&堀北真希さんが共演した場面写真が、それとなく飾られてました。
「ギャラン」もそうですが、上野の老舗喫茶店は全面喫煙可というところがあり、ここ「丘」も今のところ分煙も行っていない様子です。禁煙が当たり前になるなか、こういうスモーカー天国は、もっとあっていいくらい。喫煙者がひと息つける場所が少なすぎます。
伺ったタイミングでは、客層は意外に若い人が多く、男女比は半々と行ったところ。カップルや友人同士もいれば、MacBookでノマドしている人もいて(地下ですが、4G入りました)、皆さん思いおもいに寛いでます。
なんというか、やはり古びた空間と雰囲気と、そこに集う人が好きなんだなぁと再認識。個人的に地下にあるってのが、またたまらん。知る人ぞ知る秘密基地的なロケーションがいいんですよ。そして、ここもやはり落ち着く。フカフカのソファのせいで、予定がなければ長居は必至です。こんどはフードメニューと一緒にセットを体験してみよっと。