葛飾区立石のかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで行われた「BSフジpresents プライム落語」(2019年8月17日)に行ってきました。キャパシティ1,318の立派な大ホールが満員。喬太郎さん、白酒さん、一之輔さんが揃うわけですから当たり前ですが、それにしてもすごい人気です。
「転失気」柳亭市坊
「花筏」柳家喬太郎
「夢八」春風亭一之輔
休憩
「船徳」桃月庵白酒
五輪の話題から大師匠・五代目柳家小さんが相撲好きだったとエピソードから「花筏」に入った喬太郎さん。
提灯屋の徳さんが、病気になった大関に姿かたちが似ているというだけで、代わりに興行に出てほしいと相撲部屋の親方に無茶振りされる噺。プロ相手に連勝続きの千鳥ケ浜という相撲取りと対戦することになり慌てふためく徳さんや、身代わりとは知らずビビリまくる千鳥ケ浜の土俵上でのやり取りを小気味よく、芝居がかった様子で演る喬太郎さん。いつも変幻自在という喬太郎さんですが、この演目は身体の大きさも手伝ってますますの説得力です。
客席の反応を見て瞬時に演目を変えた一之輔さん。
釣り人の番でこづかいをもらえると甚兵衛さんに乞われた八兵衛さん。ホイホイ付いて行ったものの、着いた先はなぜか長屋。甚兵衛さんは「ムシロの後ろは見るな」と言い残し、外から戸締りされ行ってしまう。重箱の弁当も当てがってもらい上機嫌な八兵衛だが、実はムシロの後ろにあったのは首吊りのご遺体で……。
死人と戯れる展開はちょっと「らくだ」を想起させ、ブラックな味わいもありますが、セリフと仕草で爆笑にいざなう一之輔さん、目が離せません。
白酒さんは、落語界にいる若旦那的な人のまくらからおなじみの夏噺「船徳」を。
この3人を揃えるのはスケジュール的に難儀するんじゃないかと思いますが、また来年2020年8月29日(土)にも同会場で開催されるそうです(桂雀々さん、柳家三三さん、春風亭一之輔さん)。寄席では聴けない演目に出合えるのがホール落語会の醍醐味のひとつですが、かつしかシンフォニーヒルズ、それにしてもデカいですね。個人的にはもう少し演者と近いほうがうれしいかな。