「2つ以上の何かを同時にやる」のが苦手です。若い時分はビールを飲みながら校了紙をチェックする編集者をかっこいいなと眺めていたこともあったけど、真似しようとは思わなかったです。そんな器用なこと、できないのが分かっていましたから。アルコールを飲むか、チェックに集中するか。そのどちらか一方でないと無理ですね。
ただ、若い時分でも「音楽聴きながら夜中仕事」は普通でした。「夜中仕事」はだいぶ減ってきましたが、音楽を聴きながらの仕事は今もよくやってます。
お気に入りの音楽をパートナーにした「ながら仕事」は、イヤホンを耳に装着してです。部屋に自分一人のときであれ、スピーカーにはしません。そういえば、スピーカーで聴くのはドライブするときが専らです。
運転しながら聴く分には何でもいいのですが、仕事となるとそうはいきません。気分で選曲しますが、聴き慣れた音楽の中からと決まっています。聴き慣れない楽曲やアルバムですと、意識が音楽に持っていかれてしまい、ながら仕事には向かないんですよね。スピードが遅くなり、ヘタすると手が止まってしまう。
例外もあります。聴き慣れないもので並行作業に支障がないもの。
「落語」
です。
仕事中、といっても休日出社時や、夜の仕事場での孤独な作業時に限りますが。フリーランスの方や、自由度の高い会社にお勤めの方は、イヤホンを装着しながらの仕事がOKでしょう。落語でながら仕事、ぜひ試していただきたいです。
演目は人情噺ではなく滑稽噺で。涙を流しながらでは仕事に支障をきたします。笑いの口演のほうが自然と耳に入ってくるものです。ながら仕事の場合ですと、噺家のしゃべりのテンポが気持ちいいんですよね。だから、ながら仕事でもリズミカルにはかどります。しかもマクラだろうと本題であろうと、面白おかしい箇所は自然に笑ってしまうから気分も上がって一石二鳥。単純作業や機械的に何かをチェックするとき、特にお勧めです。
注意点は、周りに人がいるときは声に出して笑わないように。といいつつ、本当に面白いと「くすっ」とか「ハハハ」とか、どうしても笑い声を止めることができないのが難点なのですよね。笑っても「ニヤッ」と口元笑いで止められるよう、精進します。