「マイベストバランタインをつくる会」に参加し、ベストの組み合わせ比率を選び終えた後、せっかくなのでバランタイン17年を単独で飲みました。「これを気軽にいただける身分に、いつかなりたいものだなぁ」などとボヤきつつ、1杯だけ。
バランタイン 17y
- 香り…華やかでかぐわしい。全般にフローラル。レモン、ハチミツ。後ろのほうに真鍮のような。
- 味…ライト寄りのボディ。バニラクリーム、ミルクチョコレート、サトウキビ。かすかに燻製。
- 総評…甘さ主体でひたすらスムース、バランスも絶妙。相手の好みがわからない場合の接待、突然の来客などにも呼応できる安定のブレンデッドウイスキー。
@松濤倶楽部
いやぁ、ええですなぁ。多くは望まないので、このバランタイン17年やジョニーウォーカーグリーン(またはゴールド)あたりを日常で飲みたいものです。5,000円ちょい超えのお値段感と財布とのにらみ合いですな。
それにしてもなぜ「17年」なのか。バランタインの現マスターブレンダーで5代目のサンディ・ヒスロップさんによると、ウイスキー特有のまろやかさが香味に表れる年月経過が、この17年なんだとか。
同銘柄のファイネストや12年は、割ってもロックでも気軽に飲めますが、この17年はなんというか「ゆっくり飲むためのウイスキー」たるベンチマーク的位置づけなのかもしれません。
ところで「マイベストバランタインをつくる会」で思ったのですが。バランタイン40種類の構成原酒のひとつであるアイラのシングルモルトは「アードベッグ」という昔話、もとい定説がありますね(「魔法の7柱」でググってみてください)。アイラモルトが1種類入っているのは間違いなさそうですが、ほんとにアードベッグなんかいな、と。
当たり前ですが、多くの企業と同様、ウイスキーメーカーだって情勢は変わります。キーモルトも時代の変化や経営状況とともに変化していくものでしょう。
釈迦に説法でしょうけど、アイラ島の蒸留所の生産量として、アードベッグはさほど高くありません。バランタインを所有するペルノ・リカールとその他の蒸留所所有者の間で原酒のやり取りが行われているはずですが、シングルモルトが好調なご時勢で、バランタインのような巨大資本に譲り譲られというのも……ちょっとピンときません。
とすると、アイラでダントツの生産量を誇る蒸留所が思い浮かびますし、ビームサントリーがもつメジャーな2つの蒸留所も連想されます。野暮だ無粋だと思いつつ、こういうのを推理するのは楽しくて仕方ない。結局呑助の煩悩よ。