ホテルバーについての短い考察。

単独で酒場(BAR)に日常出入りしている身ですが、その酒場選びはだいたい気分です。「今日はあのバーマンに会いたいな」とか「モルトをじっくり行きたいな」とか「あの人の作るギムレットが飲みたいな」とか。そんなラフな感じで、束の間、身を落ち着ける場所を探します。

BARについては日々、新しい場所を探していますが、勝手なものでそればかりだと疲れちゃうんですよね。さほど親しくない知人の家に上がらせてもらい、勝手に遣わなくていい気を遣い、帰り道に疲れちゃう感じ。だから新規開拓のその後は、決まってなじみの店に寄って仕切り直すか、まっすぐ帰るか。でも、新規開拓して気に入った店には、以後たびたび寄らせていただくということになります。

で、街のBARはそういう探検的な面白さがあるのですが、いっぽうで、ホテルの中にあるBARはあんまりワクワクしない。

前者はお店すなわちオーナーやバーテンダーの個性が出るので、100店あれば100通りの違い、面白さがあるといっても過言ではない。後者は傾向として、良くも悪くも画一的なんですよね。当たり前ですが、宿泊客をはじめ一期一会なゲストが出入りするホテルは、強烈な個性なんて要りません。国内外の幅広い客層に対応できてこそ、ホテルバーの役割です。

だからどこも似たような雰囲気とサービス、似たような酒の種類。これでいいんです。バーマンはグループ客の矢継ぎ早のバラバラな注文をさばくのに手いっぱい、なんて光景を目にするのも珍しくありません。そうですね、ホテルバーはどちらかといえば、1人でというよりは、2人~4人くらいで語り合う場として使うのが最適かもね。

とこんなことを言いつつも、ぼくは一人の身でたびたび出入りします。以下のような理由で。

ホテルバーの利点

・とにかく早い
注文してからサーブされるまでの提供時間は、最重要視するほどでないとはいえ、速いに越したことはありません。カクテルに凝るマスターがやっている街の店では、客側がその時間を余裕をもって見ておくのがベターです。ホテルバーは、早く出してくれ、あるいはゆっくり飲んでいる時間がないという場合、効力を発揮するともいえます。
・軽めのチャームが付く
空腹で飲みに行くことがしょっちゅうですが、たまーにどうしても「飲みながら何かつまみたい」というときがあるんですよね。そんなとき、チャームを出してくれるホテルバーはありがたい。本格的な食事にも対応してもらえるますので、うっかりメシ抜きで来たデートやグループの二次会などにも応用可。
・照明が比較的明るい
間接照明ゆえの限界はありますが、それでも書き物をしたり、文庫本を読んだりできるくらいのライトの明るさを保っている店が多い。テーブル席ではノートPCで作業しながらカクテル飲んでいるガイジンも珍しくありません。あるときは独り内省、あるときは皆で楽しく。そんな融通の利く使い方ができます。

反面ウイークポイントもあります。

ホテルバーの弱点

・やや割高
ウイスキーもカクテルも街のBARよりは若干お値段高めです。そのうえチャージ料、サービス料などが付きますので。経費で落とせる人ほど使ったほうがいいでしょうね。
・騒々しいこともある
これはホテルバーに限らず、どこのBARでもそうですが。テーブル(ソファ)席にはグループ客が大笑いしたり、会話の声が響いたりします。この喧噪も含めて楽しむくらいが良いですね。完璧な静寂を望む人はホテルバーは難しいかも。
・サービスがシステマティック?
それなりのホテルの場合、その接客において不快な思いをしたことは個人的にないです。かといって、くだけた、気さくなおしゃべりをホテルバーマンに求めるのも、ちょっと違うかな。すごく合う店で、常連にでもなったら別でしょうけど……。

以上、浅薄な見方で恐縮ですが、要は使い方次第だと思うんです。ホテルバーに強烈な個性は要らないと上述しましたが、なかにはリピートしている大好きなホテルバーもあります。言うまでもなく、素晴らしい腕前やホスピタリティを持つバーマンもたくさん、たくさんいます。

リピするか、一期一会で終わるか。その違いは「客の喧噪」や「バーマンたちの忙しさ」の中にも、互いの会話や少しの気遣い、リアルで温もりあるやり取りがあるか、ないか。違いとは結局、そんなシンプルな答えに落ち着きます。いずれ、好きなホテルバーについても書くつもりです。

この記事を書いた人

hiroki

hiroki

編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて100軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 健全な酒活 / ブログは原則毎日更新750記事超(2019年2月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性