シングルモルト3銘柄でバーボン樽とシェリー樽を飲み比べ。

シングルモルトのバーボン樽とシェリー樽の違い

9月の講座に引き続き、第14回ウイスキー講座(第14回)に参加してきました。主催と講師は根本毅さん。今回のテーマは「同じ蒸留所によるバーボン樽とシェリー樽の違い」です。そうきましたか!というテーマ選びが心憎い。ありそでなかった、盲点を突くお題です。

愛好家同士やバーテンダーとの会話として、ウイスキー呑みなら「どんなのが好きなの?」ってなりますよね。これを聞かれるとほんとに困っちゃう。

あえて挙げるならグレンモーレンジ18年、グレンファークラス25年あたりがベンチマークなのですが、ほかにもスプリングバンク、ロングロウ(特にREDのマルベックカスク!)、キルホーマン、キニンヴィなどなど、要するには地域・樽の違い・ピートの有無・熟成の老若を問わず「好きなものは好き」なんですよね。ま、ライトな酒質のウイスキーを選びがちゆえ、バーボン樽のほうに傾きがちとは自認しています。

シェリー樽はその成り立ち(オロロソやPXが多いですが)、さらにアメリカンオークとヨーロピアンオークという樽材の違いなど多種多様で、樽のルーツを推理しつつ飲むのも一興です。最近はさらにワイン樽や日本酒樽(「あかし」など)のシングルモルトも登場し、業界では樽不足だけでなく、樽イノベーションの様相を呈しています。これに加え、もしも本気でトレーサビリティを追求・強化しようとすれば、えらいことになりそうです。選択肢が広がりすぎるのは、ファンとしてはうれしい悲鳴といったところですかね。

そんなわけで、いただいたのは3銘柄のバーボン樽&シェリー樽各1で、計6アイテム。下記いずれも点数の甲乙つけがたい素晴らしいモルトでした。以下、根本さんの解説をもとに。テイスティングコメントは自分個人の所感です。

1-1. Glenlivet(グレンリベット)12y 40% Excusive Edition First Fill BourbonCask OB

通常のリベットはバーボン樽とシェリー樽のミックス。ゆえに渋み少なめ。オフィシャルで度数40%にもかかわらず、リッチに感じました。さらに驚いたことに、最後のマッカランをいただいた後でも負けていなかったこと。恐れ入りました。べっこう飴、カラメルソース、アップルパイがメリーゴーランドのよう。

グレンリベット12年 40% Excusive Edition First Fill BourbonCask OB

1-2. Glenlivet(グレンリベット)1996-2012 15y 60.1% SMWS2.80 First Fill SherryCask

こちらはシェリーカスクです。開封1年未満とのことで、香りは主張強め。干し柿やシナモンロールのような香りと味。

グレンリベット1996-2012 15年 60.1% SMWS2.80 First Fill SherryCask

2-1. Springbank(スプリングバンク)1992-2008 15y Privately Bottled From Cask 04/73 No9 Bourbon Cask OB 48%

リベットの後ゆえ、全く違うものが襲来。材木置き場や野菜のバーベキューの香りがモクモクと、味わいはまた趣が異なり、レモネードやピーマン、そして浜焼き。

スプリングバンク 1992-2008 15年 Privatelry Bottled From Cask 04/73 No9 BourbonCask OB 48%

2-2. Springbank(スプリングバンク)1997-2006 9y VINTAGE 1997 Bach1 SherryCask OB 55.2%

この「バッチ1」はオロロソシェリー樽による熟成だそう。バターから粘土に至る香りの変化。味はディープで。こっくりとした甘酸っぱさがあります。9年という熟成年数の短さ、信じがたいものがあります。

スプリングバンク1997-2006 9年 VINTAGE 1997Bach1 SherryCask OB 48%

3-1. Macallan(マッカラン)1985-2006 20y 55.2 SMWS24.86 Rifill Hogshead Bourbon

こちらも珍品。ひと昔前のマッカランの、なんとバーボン樽版です。「リフィルホグスヘッド熟成のためバーボン樽の影響は控えめで原酒の性質が分かりやすい」と根本さん。原酒の良質さに恐れおののいた一瞬でした。SMWSで、こんなオツなデザインのボトルがあったのも初めて知りました。

マッカラン 1985-2006 20年 55.2 SMWS24.86 Rifill Hogshead Bourbon

3-2. Macallan(マッカラン)1974-1992 18y 43 SherryCask(EaropianOak)OB

こちらはスパニッシュオーク熟成。上のマッカランが「すっぴん」なら、こちらはバッチリ「おけいけい」した感じ。比べてみると、苦く、深煎りのコーヒーを飲んでいるかのよう。開催場所のBAR、Bon Vivantさんのご厚意で、現行品のマッカランと飲み比べてみたのですが、もう別物ってくらい違います。

マッカラン 1974-1992 18年 43% SherryCask(EaropianOak)OB

というわけで今回も堪能しまくりました。個人的にまだ参加2回目ですが、ココで言えないくらい本数を所有する根本さんでしか実現不可能なセミナーでしょうね。しかも数の多さだけでなく、そのボトルがそのままウイスキーの履歴、変遷を物語るわけですから。

キホン自分ちでは手ごろなヤツしかいただか(け)ないので、こういう機会は貴重です。根本さんご夫妻と、ご一緒した皆さん、いつもありがとうございます。また次回。

@Bon Vivant

この記事を書いた人

hiroki

hiroki

編集者 / ライター / ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート / SMWS会員 / 訪問したBAR国内外合わせて100軒超 / 会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年) / ひとり歩き / 健全な酒活 / ブログは原則毎日更新750記事超(2019年2月現在)/ ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性