東京国立博物館で、毎週金曜日と土曜日に行われている夜間開館に足を運びました。「夜間開館」と銘打っているわけではありませんが、毎週末の金・土は21時まで開館しているのです(通常は9時30分~17時)。
上野公園に自宅がほど近いので、トーハクにはたびたび足を運びます。ので、1年間有効の国立博物館4館共通「メンバーズパス」を持つようにしています(一般2,000円)。有料の特別展を除いて入場し放題なのですから、安いもんです。
そんなわけで、これさえあればヒマつぶしに博物館に行けるとあって重宝しています。さらに狙い目なのが、夜間それも19時以降の見学です。メリットは「人が少ない」こと。これに尽きます。デメリット? 帰宅が遅くなることくらいじゃないですか。
皆さん、夕食をとったり、家路に急ぐ必要があったりで、夜ともなると人が引けるんですね。週末といえども夜間は意外に人が少ない印象。いつの間にか空いた展示室を自分のペースでゆったり見て回るのは、お酒を飲んでいるときと同等に至福の時間なのです。
さすが国立だけに、トーハクは展示室のスペースが広く、展示室内外そこかしこにベンチがあります。腰かけながら、正面や室内の美術品を眺められるのもオツなもの。頭をカラッポにしてそれらを眺めるのは、良い気分転換になります。
個人的に、西洋絵画や日本の現代アートばかり興味が向いてしまいがち。なので、日本の国宝や重要文化財と向き合えたり、日本の風景・物語を描いた大和絵や巻物、仏像や焼き物といった日本独自の芸術に広く浅く触れたりできる良い機会なのです。
快適な空間で知らないものとじっくり向き合える夜間、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。余談ですが、ちょうど今、本館1階の13室は工事中で見ることができません(~2020年3月9日)。「展示環境改善のため」との掲示があります。けれども下写真、展示室が目に触れないよう覆われた仮設通路、なんか美しいです。