老舗ボトラー、ゴードン&マクファイル(GM)の「グレングラント」蒸留所ラベルです。蒸留所公認でかつての意匠をラベリングできるなんざ、いにしえから業界に貢献し、蒸留所と深い関係のあるGMだからこその芸当です(フツーはOKされないでしょ)。
なかでも、GMとの深い結びつきが語られることが多いのがグレングラント。長熟ヴィンテージがなかなかの値段でネットに出回っていますが、今回ためしたのは最も手ごろな9年物です。これ、飲みやすさとしっかりしたボディが両立した、コスパよい1本でした。
ゴードン&マクファイル グレングラント 2008 43%
- 香り…強い主張。樹液、サバラン、レーズン、ラム酒の味つけしたシフォンケーキ、
- 味…コク甘ライトボディ。レーズンバター、砂糖がけのナッツ。後半は角砂糖たっぷりのミルクコーヒー。
- 総評…シェリー樽の特徴を感じさせる濃さ。レーズンや角砂糖の強さ。それでいてベットリしすぎない。
@カドヤ黒門町スタンド
1stフィルのシェリー樽(ホグスヘッド)と再活性=リフィルしたバーボン樽で熟成されたとのことですが、その比率構成までは分かりません。ただ、飲んでみた感じは、一目でシェリー樽と分かる濃さがあります。それでいて、味わいは押しつけがましくない。お求めやすいモルトでこの出来。毎度恐れ入ってますが、GMの冴えわたるバランス感覚を垣間見た思いです。
バーボン樽系の比較的穏やかなシングルモルトを好む人が、「今日はもう少し“飲んだ感”がほしい」ときに飲むのにベターかなと思います。