ダルユーインは1852年創業のスペイサイド地区にある蒸留所です。現在の所有はディアジオで、年間生産能力は520万リットル。オフィシャルボトルは1991年発売の16年物で、「花と動物シリーズ」のラインアップの1本が出されています。まぁ、頻繁にお目にかかれるボトルではないです。
もとはブレンデッド専用の生産で、ジョニーウォーカーなどに使われているそう。今回はそのシングルモルトのオフィシャルではなく、著名ボトラーのブラックアダー社からリリースされた5年生をためしてみました。
アバディーン ディスティラーズ ダルユーイン2009 5y 46%
- 香り…優しく沁みる。柑橘系の爽やかさ。霧と苔。洋梨のコンポート。若干の硫黄っぽさも。
- 味…ミディアムボディ。かじりたての麦芽、温泉卵。余韻は甘く中程度。
- 総評…れはこれで完成品だが、脱皮前のサナギ感。同じ出所で熟成2ケタ年数のものは、より柔らかになるのでは。
@カドヤ黒門町スタンド
ブラックアダーを取り扱うガイアフローのサイトではすでに品切れ。輸入本数60本という希少性に加え、スコッチの若い側面(年数5年はあまりない)と、ダルユーインというある意味珍奇性のある蒸留所で、ブラックアダーのお墨付き。そりゃまぁ、売り切れますよねという感じです。
ブラックアダーのボトルは、「ロウカスク」などカスクストレングスの尖った面が大好きなのですが、こちらのダルユーインの「アバディーン」シリーズは加水してバランスを取ったもの。液体の色合いは薄いものの、意外なほど中身のバランスはとれています。若さゆえ香りの表情は多彩でないのですが、原酒の特徴をとらえた良い1本と思います。