1986年以降に流通したと思われるブレンデッドウイスキー、サムシングスペシャル12年をいただきました。なんだかんだで、特級=1971年(昭和46年)〜1989年(平成元年)の級別・従価税制の時代に販売されたスコッチを体験できるありがたさ。保存の状態よいものに遭遇できたら、なお幸運です。
サムシングスペシャル12y 43%
- 香り…封を切ったばかりの蜂蜜、食パン。墨汁、シリアルとミルク。控えめながら主張あり。
- 味…ライトボディ。ミルクチョコレート、水で少し薄めたハチミツ。
- 総評…ザ・グレンリベットを彷彿させる優しさ。食前酒にキュッと1杯……引っかけられたら良いなぁ。
@長谷川
ロングモーン蒸溜所を所有し、北米市場向けブレンデッドスコッチ「クィーンアン」などを販売したヒル・トムソン社によるものです。1793年に自営業から出発。1970年にはグレンリベット&グレングラント社と経営統合し、グレンリベット・ディスティラリーズ社に。そのグレンリベットも、より巨大なシーグラム社に買収され、今ではペルノリカール社の所有です。この間わずか200年あまり。歴史の変遷とはかくも早いのですね。
このサムシングスペシャルは、1975年のエリザベス女王来日の宮中晩餐会で「バランタイン30年」とともに提供されたスコッチだそうで。なるほど、そら当時は誇らしげにプロモーションされたことでしょう。
なるほど、「サムシングスペシャル」とは、意訳すると「あなたにとって特別のもの」とでも言えましょうか。実際、優しく質の良いブレンデッドウイスキーというのが第一印象。さらさらと、それでいてしっかりコク味もあります。食後酒としては物足りないかもしれませんが、食前酒として口中の準備をするのに向いているかな、と。
ネットの酒屋さんでは今もフツーに見かけるオールドボトルですが、もしリアルで売っていたら値段次第で躊躇なく買いますね。終売品とはいえ、そんな無い物ねだりをしてしまいます。